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大東亜戦争の電子書籍(目次) 

 大東亜戦争は石原莞爾と尾崎秀実が大陸に渡った昭和三年(1928)から開始された。

 「戦争の天才と謀略の天才の戦い」国民のための大東亜戦争史1928―56は、豊富な第一次史料、入手困難な戦争指導資料を駆使し、この二人の戦いを中心として帝国議会が開かれた1890年から昭和天皇が崩御された1989年まで日本百年史を俯瞰する長編物語です。

 なぜ近衛首相は「爾後国民政府を対手とせず抹殺する」と宣言したのか、近衛首相が公表した「東亜新秩序」とは何か?我が国が三国同盟を締結した真の目的は何か?なぜ我が国は支那事変を解決できなかったのか、なぜ陸軍中央は敗戦まで支那大陸で大軍を動かし続けたのか、「非国民」「聖戦」 「ぜいたくは敵だ」「一億玉砕」の発信源はどこにあったのか?近衛上奏文が指摘した軍の革新論者と一部新官僚および民間有志ら右翼―国体の衣を着けた共産主義者とはいったい誰なのか?

 歴史教科書、教師、新聞、著名な評論家、歴史学者が国民に教えてくれない大東亜戦争の真実がここにある。日本のナチスに呪われた文部省検定学校教科書を信じる者は公務員試験に合格しません!これを信じる者は日本のナチスと同じく鳩山由紀夫より醜悪で愚劣な無限のルーピーに転落してしまうからです。
 
 以前いただいた読者の方のメールによると、数十年にわたり頑固に悪名高い某反日新聞を購読していた老父が、国民のための大東亜戦争史1928―56を読み終えて、自分が反日新聞社に騙されていたことに気付き、激怒して、従軍慰安婦強制連行説を捏造した反日新聞の定期購読を打ち切ったとか(笑)。

 この電子書籍を読んで心に志を宿した方々が、反日新聞社に騙されている人々を救済するために、親類縁者、仲間友人同僚の方々にこの電子書籍を紹介しています。衰退著しい我が国を再興させる原動力は、国民一人一人の志です。 これまで平間洋一先生をはじめ多くの読者から購読料を頂きました。平間先生の「『本土決戦』『一億玉砕』を叫んだ敗戦革命論者たち別冊正論 Extra.15」はこの「戦争の天才と謀略の天才の戦い-国民のための大東亜戦争史1928―56」の要約です

 これは本当に信用に値する戦史書なのか?と訝しがる方、まずこの【新風舎の書評】【大東亜戦争の本質】と歴史学会の内幕を暴く「閉ざされた戦史研究-第二次世界大戦と日独伊三国同盟-海軍とコミンテルンの視点から」をお読みください(平成18年12月2日註、新風舎は怪しい出版社のようなので、作家を目指している方は御注意を!詳細はこちら)。石原莞爾ファンの方はこちらからお読みください

 所長は可能な限り第一次史料を読み、時代の全体像の描写を心掛け、読者を楽しませる面白いストーリー性と読者の知識向上に役に立つ学問性を重視しましたが、至る所に所長の錯誤、勘違い、見落とし、誤字脱字等 または画像障害、文字化け、リンク切れ(404forbidden)等があるかも知れませんので、これらを見つけた方、是非とも森羅万象の歴史家ブログ(最新の戦史修正のお知らせ2019年3月9日)でご指摘下さい。


注意事項

 これは、約700頁以上の単行本に相当する文字量を有する第一次史料集なのでマウスドラッグ、コピーアンドペーストとワープロソフトを駆使され保存編集プリントアウトしてお読みください。

 例、オフライン状態で、南京陥落を【編集すべて選択】コマンドを使ってコピーしワード文書にペーストしテキストファイルとして保存、この作業を16回繰り返して全部のコラムのテキストファイルを作り、これらを再びワード文書に戻しコピペして一つのワード文書にまとめて印刷する。

「戦争の天才と謀略の天才の戦い」 国民のための大東亜戦争史1928―56の目次

<第一章 支那事変史>

【南京陥落】

1、トラウトマン工作  2、参謀本部の早期和平論 3、昭和十三年一月十五日大本営政府連絡会議 4、暴走  5、日本共産党 6、満洲事変とゾルゲ機関 7、転向声明 8、支那問題の権威 9、国家総動員法

【日支全面和平を打ち砕いた者】

10、萱野長知 11、宇垣一成 12、和平交渉成立 13、高宗武の来日 14、萱野再び上海へ 15、単独辞職

【汪兆銘工作】

16、泥沼 17、松本重治と高宗武 18、第二次近衛声明 19、脱出 20、第三次近衛声明

【汪兆銘工作の謀略的意義】

21、主謀者 22、永久抗争 23、浸透 24、愚人

【近衛新体制】

25、テロリスト 26、革新華族 27、上からの政権奪取  28、堀場一雄の慧眼  29、ノモンハン事件と第二次ヨーロッパ大戦 30、桐工作  31、倒閣 32、第二次近衛内閣発足 33、近衛新体制 34、帝国憲法改正に関する意見書 35、満洲国協和会と大政翼賛会 36、延命 37、憎悪

【ソ連の対日米支諜報謀略網】

38、太平洋問題調査会 39、西安事件 40、廬溝橋事件 41、ソ連の諜報謀略網  42、歴史に対する罪

<第二章 日米開戦史>

【独ソ開戦と日本の南進】

43、検察の苦悩 44、日独伊ソ四ヶ国協商構想の背景 45、独ソ戦勃発 46、南進論と北進論 47、佐藤賢了と尾崎秀実 48、昭和十六年七月二日御前会議 49、第三次近衛内閣発足 50、ABCD包囲網 51、昭和十六年九月六日御前会議、明治天皇の御製 52、窮地 53、日米首脳会談 54、近衛東條会談 55、近衛内閣総辞職 56、任務終了

【石原莞爾と尾崎秀実】

57、不拡大早期和平論の敗北 58、名将の運命 59、対決  

【東條内閣の和平努力】

60、組閣の大命、東條英機に下る  61、大戦を最後まで戦い抜くために 62、東條内閣発足 63、激怒、安堵、絶望、喝采のハルノート 64、自衛のための自殺 65、平和と自由に対する罪 66、慟哭  67、レーニンと明石元二郎

<第三章 大東亜戦争終末史>

【帝国陸軍南進論者の正体】 

68、緒戦の快進撃 69、攻勢終末点 70、正体を現した陸軍統制派

【陸軍統制派の陰謀】

71、連合軍の大反攻  72、小磯内閣発足 73、かいらい

【繆斌(ミョウヒン)工作】

74、対重慶和平工作再燃 75、蒋介石と東亜連盟運動 76、繆斌の来日 77、死せる尾崎秀実、生ける日本政府を誤らせる 78、桜散る

【鈴木内閣の失策】

79、種村佐孝の狂気 80、昭和天皇とローマ法王庁

【近衛上奏文解説】

81、近衛上奏文  82、国体の衣を着けた共産主義者 83、国体と共産主義の両立論 84、ヒトラーとスターリン 85、戦争指導の変遷 86、石原莞爾の悲劇 87、思想侵略 88、統制派とコミンテルン 89、戦争と平和

【近衛文麿の正体】

90、密会 91、近衛特使案 92、聖断 93、昭和という時代 94、近衛の和平条件 95、近衛文麿の正体 

【大東亜戦争の本質】

96、大東亜戦争の本質 97、戦闘休止後の戦争 98、戦後民主主義の本質 

コラム1、戦時国際法から南京大虐殺の真偽を分析する

コラム2、連合国の犯したポツダム宣言違反

コラム3、パル判決が語る慰安婦強制連行説の虚構

コラム4、阿片専売制度-日満両帝国が実施したアヘン断禁主義に基く中毒患者漸減方策(アヘン漸禁政策)

<更新のお知らせ(2009年3月28日)>

 2003年3月の戦史公開以来、所長は細かな修正を繰り返し、戦争の天才と謀略の天才の戦い-国民のための大東亜戦争正統抄史1928-56は公開当初より10倍ぐらいは良くなったと自負しております。特に憲法と国際法について補足説明を加えました。

 東亜連盟戦史研究所という名称は、所長が時代錯誤な大アジア主義者であるとの誤解を招きかねないので、今では弊サイトには日本戦史研究所という名称をつければ良かったと後悔しています。

東亜連盟戦史研究所移転のお知らせ(2010年10月27日)

 無料ホームページサービス「インフォシーク iswebライト」に伴い東亜連盟戦史研究所の電子書籍は、このFC2ブログに移転しました。所長の本拠地は森羅万象の歴史家ブログです。

所長の大勝利(笑)!「日本政府が共産主義者に降伏」「米の最高機密」終戦間際、中国武官が打電(産経新聞2013年8月11日)ソ連の中枢浸透説を補強。ロンドンのイギリス国立公文書館所蔵の最高機密文書ULTRAで判明(詳細はこちら)。

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<洗脳狂育と偏向報道から日本の子供を救出するための歴史問題>

 問1 次の武力行使のうち、国際連盟によって「侵略」とは認定されなかったものを1つ選びなさい。

 A、1931年日本の満州進攻
 B、1935年イタリアのエチオピア進攻
 C、1939年ソ連のフィンランド進攻

 正解はこちらです。

 問2 伊藤博文、井上毅、金子堅太郎、伊東巳代治が大日本帝国憲法の起草のために参考にした外国の憲法はどれか。次の中から該当するものを選びなさい。

 1、プロイセン憲法
 2、ベルギー憲法
 3、スウェーデン憲法
 4、イギリス憲法
 5、アメリカ憲法

 正解はこちらです。

文 献 紹 介

・全国民必読書「大東亜戦争とスターリンの謀略戦争と共産主義」あらゆる危険から身を守る「民間防衛 新装版―あらゆる危険から身をまもる」を読む児童生徒学生は、朝日新聞、NHK、日教組、篠田正浩ら反日左翼勢力に騙されません!

 受験勉強に悩む児童生徒学生にゆとりをもたらす聞き流すだけで英語をマスター7つの名作劇場は画期的な英語教材です。児童生徒学生は、これを寝ながら聞き流して受験勉強の時間を少し短縮し、「戦争の天才と謀略の天才の戦い」国民のための大東亜戦争正統抄史1928―56日本人が知ってはならない歴史-戦後篇を読んでくだされば、幸甚です。

・遂に邦訳刊行!日本国中を騒がせた田母神歴史エッセイの根拠「ヴェノナ」

・日本人が世界の常識に追いつくための戦略の格言―戦略家のための40の議論

・ 多くの日本国民を騙しているインチキ憲法学者のおかげで憲法記念日を間違えている戦後日本をただす井上孚麿の事後救済の法理韓国人を震え上がらせます


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君主の裁可公布権と衆議院優越の不合理(大日本帝國憲法第六條)

枢密院帝國憲法草案第六條 天皇は法律を裁可し其の公布及執行を命ず

【枢密院に提出された第六條注解】

 恭して按ずるに、天皇は法律を裁可し之を議会に宣諭せられ、而して裁可の後更に式に依り公布せしめ、始めて施行の効力あり。此れ皆至尊の大権なり。裁可及公布の大権既に至尊に属するときは、其の裁可せざるの権及公布執行の緩急を定むるの権は従て至尊に属すること、謂わずして知るべきなり。

 古言に、法を訓みて宣(のり)とす。播磨風土記云、大法山(オオノリヤマ今名勝部岡)品太天皇(応神天皇)於此山宣大法故曰大法山と。夫れ言語は史学に於て古伝遺俗を徴明するの一大資料たり。而して法律は即ち王言なることは、古人既に一定の釈義ありて謬らざりしなり(※1)。

 之を欧州に参考するに、君主法律の成議を拒む(ベット)の権を論ずる者、其の説一に非ず。英國に於ては此れを以て君主の立法権に属し、三體(君主及上院下院を云う)平衡の兆證とし、仏國の学者は此れを以て行政の立法に対する制御の権とす(コンスタン、パンジヤマン氏著書に見ゆ)。

 而して此の拒否の権を行うに亦二種の同じからざるあり。

 其の一は全廃(アブソリュート)の権とし、凡そ法律を発布するに君主の裁可なきときは法律の効力を成さざるを云う。

 其の二は中止(シュスペンション)の権とし、君主又は大統領一次又は両次裁可を拒むの後、議会仍再三其の議を執るときは裁可なしと雖(いえども)亦法律の効力を成すを云う。此の第二の方法は実に議会に與(あた)うるに立法終結の権を以てせる者にして、米国及那威(ノルウェー)の外に之を行う者あるを見ず。

 而して其の第一の方法、英國に行わるるに至ても、亦徒に其の空名を存するに過ぎず。二百年来(千六百八十九年以来)実際に此の権を施用することなしと云う。抑々(そもそも)拒否の権は消極を以て主義とし、或いは君主の大権を以て行政に限局し、或いは君主をして立法の一部分を占領せしむる所の君民共治の論理に出る者なり(※2)。

 我が國の憲法は法律は必ず王命に由らしむる積極の主義を取るものにして、彼の拒否の権と其の跡相似を其の実は霄壌(しょうじょう-霄は空、壌は土)の別ある者とす。

【枢密院に提出された第六條参照】

葡(ポルトガル)第七十四條 王は左の件々に由て節制権を執行す
第三 國会の提案及議決を制可して法律の効力を與うる事

白(ベルギー)第六十九條 王は法律を制可し及公布す

伊(イタリア)第七條 王は独り法律を制可し及公布す

荷(オランダ)第百十五條 法律案は王及國会の認可を経た後法律たるの効力を有す而して王之を公布す国法は犯すべからず

普(プロイセン)第四十五條 王は法律の公布を命じ而して其の施行の為に必要なる命令を発す

墺(オーストリア)行政権憲法第十條 法律は憲法に従い両議院承認の由を記し責任執政の対署に依り皇帝の名を以て之を公布す

西(スペイン)第四十六條千八百三十七年 王は法律を制可し及公布す

<憲法に制可及公布の期限を指定する者左の如し>

葡(ポルトガル)第五十九條 王は各箇法案に対し奉呈の日より一箇月内に其の制可を與え又は之を拒む

仏(フランス)千八百四十八年第五十七條 緊急なる法律は国会の決議を経たる日より三日間に之を公布し他の法律は一箇月間に之を公布す

丁(デンマーク)第二十四條 國会の決議したる法律に其の効力を與うる為には王の制可を得るを必要とす王は法律の公布を命じ及其の施行を監督す
両院に於て認可したる法律案は次の集会の前に王の制可を得ざれば其の効力を失う者とす

荷(オランダ)第百十六條 法律は各種法律の公布式及執行の期限を定む

<制可之権>

 議院に法を議して國王之を制可するの権は、各國建國法の同じく掲ぐる所にして、其の制可を拒むの権、亦其の中に在り。

 「バルジヤマン、コンスタン」氏曰く、行政権は其の法危険なるを知る時は之を対拒するの権を有す。蓋し己れ善可せざるの法を勉強して行うの政府あることなきなり。若し之あらしめば政府将に其の力を失い、其の體面を失い、其の下に使役する者亦其の命を守らざるに至らんとす。

 人或は國王制可の権、暴横に病むという者ありといえども、また代議員横断の甚だしきに至らず。何となれば國王及大臣は事業経験の力多ければなり。

 「プイランジェリ」氏曰く、交架の政府(立憲君主政体を云う)に在て、國王は其の政府を構成する三體の一たるを以て、他の二體の決議を沮格(沮は阻、はばむ、さまたげる)するの権威を有つこと当然とす。

 その故は、第一に立法権を行うに三體合同を要す(三體とは上下二院及國君をいう)。第二に若し沮議の権、國王に属せざらしめば、立法部は一の阻障あるを見ず。専横侵冐、以て行法部(法律を執行する行政部)を蔑如するに至らんとす。

 議決を沮格するの権分けて二類とす。其の一を全廃の権とす。全廃とは凡そ法を成すに、國王の制可、必要欠くべからざるに属するもの是なり。其の二を中止の権とす。國王一次或いは両次制可を拒むの後、立法部再三其の案を進むる時は制可なしと云えども、また法の力を成す者是なり。

 人謂う、建国法の國王の手に成れる者は多くは全廃の権を有し、其の議会の手に成れる者のは多く國王に與うるに中止の権を以てするに止まると。米利堅合衆國は即ち中止の権を用う。

 決議中止の法は、実に議会に與うるに立法の全権を以てするなり。何となれば議会実に終決の権を有し、多少延留の後を待ち遂に其の意を達するを以てなり。

 議決全廃の法は、國君に帰するに立法の一部分を以てするなり。英吉利(イギリス)に於ては議決全廃の法を用うと云えども、千六百八十九年以後殆ど二百年、王家此の権を用いることなし。

 蓋し立憲の論に拠るに、諸宰臣行う所の國政は国民の好みを印する者なり。故に國民と政府と諧同せざる時は、或いは宰臣を罷めて他の諸人を用い、或いは議会を解散して以て新撰議会の叶議を待つ。是両々不諧を除くの方法なり。議決全廃の法を行うときは前と相反し、往々議院をして萎薾に帰せしめ、又宰相諸臣をして民望を失わしむるに至る。

 右「エミルセヂウ」氏に拠る。


【明治の自由民権運動を代表する交詢社系の郵便報知新聞社説私考憲法草案(カッコ内は交詢社の私擬憲法案)】

第二條 皇帝は左右両院において議決せる日本政府の歳出入租税國債諸般の法律を批准す(第三條 日本政府の歳出入租税國債及諸般の法律は元老院国会院において之を議決し天皇の批准を得て始めて法律の効あり)

第二條注解

 凡(すべ)て治國に係わるの事は尽(ことごと)く皇帝陛下の行わせたまう所なるを以て両院において議決する所のものは皇帝陛下の批准を経るにあらざれば法律たるの効なきものとす英國憲法の如き亦然り。


 枢密院帝國憲法制定会議では、森有禮が第六條草案中の「法律」という用語について「法律と云えば既に裁可になりたるものを云うならん。然るに本條に於て法律と云うは如何乎」と質問した。

 井上毅は「御もっともの御尋ねなり。法律の効力より云えば、貴説の通りなり」と森の意見に同意しつつも、ベルギー憲法に第六十九條「王は法律を制可し及公布す」があることを指摘し、

 「オランダ憲法第百五十條法律案は王、及國会の認可を経たる後法律たるの効力を有す而して王之を公布す、とありて、裁可の前後を別ち、法律案と法律とを書き分けたる例もあれども、ベルギーにならい、天皇の裁可権を掲ぐるの條に法律を裁可すと書くも、また決して失当の言に非ず

と答えた。かくして帝國憲法草案第六條は修正されることなく可決され、明治天皇の御裁可を得て、大日本帝國憲法第六條「天皇は法律を裁可し其の公布及執行を命ず」となった(帝國憲法制定会議173~174頁)。

【筆者の補足説明】

※1、播磨国風土記揖保郡は大法山という地名の由来を以下のように記録している(播磨國風土記22頁)。

 「大法山(おおのりやま)。(今は勝部岡と名づく。)品太天皇(ほむだのすめらみこと)、此の山に大法(おおきのり)を宣(の)りたまひき。故、大法山と曰ふ。今勝部(すぐりべ)と号(なづ)くる所以は、小治田河原天皇(斉明天皇?)の世に、大倭(おおやまと)の千代の勝部等を遣わして、田を墾らしむるに、即ち此の山の辺(ほとり)に居りき。故、勝部岡と号く。」

 大法(おおきのり)のノリは祝詞(のりと)のノリと同じく、胸中の思想を外部に延べ拡げるという語源を持ち、我が國の古代では法律、道徳、宗教を包含する広汎な規範であった。播磨国風土記の大法山の故事は、応神天皇の時代には天皇の宣命がノリとなっていたことを伝えており、瀧川政次郎の見解によれば、それ以前のノリは神懸りとなった巫女や呪術者の託宣であったという(日本法制史上98~100頁)。

※2、イギリスの國体は君民共治である。君民共治とは、國王と貴族と人民という三体が議会に集いイギリスを統治することである。全行政権を掌握している國王も、どの法律に対しても拒否権を行使することはできても、彼自身が法律を制定することはできないのである(ザ・フェデラリスト第47篇「権力分立制の意味」216頁)。

 伊藤博文著憲法義解帝國憲法第六條解説は「そもそも彼(イギリス君主)の所謂拒否の権は消極を以て主義とし、法を立つる者は議会(上院下院)にして之を拒否する者は君主たり」と述べている。

・私見-衆議院の優越はGHQの無知蒙昧を意味する

 大日本帝國憲法下の天皇は、帝國議会衆貴両院の協賛(承認、過半数の同意)をもって立法権を行使するがゆえに、帝國議会の否決に遭えば法律を制定できない(第五條、第三十七條)。帝國議会は法案を可決し天皇の裁可を経て法律を制定できるが故に、天皇の拒否権に遭えば法律を制定できない(第五條、第六條、第三十七條、第三十八條)。これが国の元首たる君主と立法機関たる議会との間に生じる権力の相互抑制効果であり、権力の均衡状態である(小沢民主党の一党独裁を許さない君主の拒否権)。

 しかしこの効果と状態は多分に机上の空論の産物という謗りを免れない。君主國が一たび議会制デモクラシーを採用すると、君主は議会に対して拒否権を行使し難くなるようである。イギリスでは1707年にアン女王がスコットランド民兵法案を拒否して以来、國王が拒否権を発動した例はなく、帝國憲法下の我が國では天皇の拒否権不行使が慣例化していた。

 しからば君主の拒否権の代わりに如何なる措置が、法律承認権と國政全般を支配する予算承認権という強大な権限を持つ議会を抑制し、統治機構のあいだの権力抑制均衡状態を作り出すのか。伊藤博文の座右の書アメリカ合州國憲法の解釈書ザ・フェデラリストは次のようなヒントを読者に与えている。

 「しかし、政府各部門に、自衛のための同等な力を与えるということは不可能である。共和政府にあっては、立法部の権能は必然的に優位に立つことになる。そこで、この不都合を修正するために、立法議会を二つの議院に分割することが必要である。

 そして、異なった選挙方法や、異なった運営原理をもって、この両院をして、その(立法機関としての)共通の機能や、ともに社会に依存しているという性格の許す限り、できるだけ相互に関係のないようにしておく必要がある。

 しかしそれだけなく、さらに慎重な警戒的措置によって立法部による危険な権力侵害に対抗する必要があるかもしれない。立法部はその強力さのゆえに前述したように二院に分割する必要があるとすれば、行政部はその脆弱のゆえに強化する必要がある。その点、議会に対する絶対的な拒否権は、一見、行政部にとり、立法部に対して身を守るごく自然の防御装置のごとく見えよう。

 しかし、実はそれをもってしても、おそらく全く安全ともいえず、またそれだけで十分ともいえないであろう。というのは、通常の場合には、拒否権は必要とされるだけの頑固さをもって行使されないかもしれないし、また逆に異常事態の場合には、拒否権は信頼を裏切って悪用されるかもしれない。

 この絶対的な拒否権のもつ欠陥を、弱い部門(行政)と、強い部門(立法部)の弱いほうの議院との間に、一定の関係を持たせることによって補うことはできないであろうか。そうすれば、立法部の一院は、立法部自体の権利をあまり捨てることなくして、行政部の憲法上の権利を支持することができるようになるであろう。」(ザ・フェデラリスト241頁)


 法学徒が、ザ・フェデラリスト第51篇「抑制均衡の理論」によって提案された、立法部(議会)による危険な権力侵害に対抗するための慎重な警戒的措置を念頭に置いて、憲法義解稿本に挙がった貴族の素質第一「王室に密邇(註、みつじ-間近く接するという意味、邇は近)し上流の位地に居る」を読むと、帝國憲法第三十四條の規定する貴族院の構成分子に皇族と華族が加わる意義が明らかになる。

 すなわち天皇に密邇する皇族および華族が帝國議会の貴族院に加わり、貴族院がいわば天皇の名代となって、衆議院が可決する危険な衆愚法案を否決する等、天皇が議会に対して拒否権を行使しなければならない非常事態の発生を未然に防ぎ、議会の権限を減らさずに、立法部による危険な権力侵害を自己抑制しようというのである。

 枢密院帝國憲法制定会議史料が我々に示す明治流憲法学の奥義は、伊藤博文ら帝国憲法起草者が欧米の憲政史を徹底研究して立法部による権力侵害の危険性とくに代議院の横暴を熟知し、これを抑制するために、君主(天皇)に法律を裁可しない権(拒否権いわゆるベトー)を持たせ、立法承認権と予算承認権という強大な権限を持つ議会を衆議院と貴族院に二分割して、自由を維持する権力分立抑制(矯正)均衡型の立憲統治の構築に努めていたということである。

 議会の分割方法に関して、自由民権運動を代表する交詢社系憲法私案、大日本帝國憲法、GHQ製日本国憲法を比較すると、帝國憲法がアメリカ合州国憲法の解説書ザ・フェデラリストに最も忠実で、マッカーサーらGHQが我が国に押し付けた日本国憲法はフェデラリストに背反しているのである。

 マッカーサーの命令により日本国憲法案を起草したGHQ民政局員は「米国籍であったが英米系の法思想から逸脱していた、アメリカニズムではなくアメリカン・コミュニズムの人々」(中川八洋著正統の哲学 異端の思想―「人権」「平等」「民主」の禍毒)だったからであり、議会二院制の意義すら知らなかった無知蒙昧な軍人だったからである。

 それを如実に示している日本国憲法の条項が衆議院の優越(第59条~第61条)である。もし国会が衆議院と貴族院からなる二院制であれば、あるいは参議院がGHQに潰された職能代表制を採っていれば、衆議院の優越は、その善悪は別にしても、公選議院の選挙によって示された民意を優先し重視するということであろう。

 しかるに日本国憲法の規定する国会は、衆参両院いずれも公選議院である。衆議院に属する政党が参議院にまたがって存在しているのに、日本国憲法第59条2項「衆議院で可決し、参議院でこれを異なった議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる」が規定する衆議院の優越は、いったい何を優先し重視しているのか、三分の二以上という数字は何を意味しているのか不明瞭である。

 西修著日本国憲法を考えるによれば、日本国憲法第59条はアメリカ合州國大統領の法案拒否権規定の劣化コピーであった。アメリカでは、大統領は法律案の提出権を持たないが、上下両院を通過した法律案に拒否権を発動することができる。しかし上下両院はそれぞれ三分の二以上の多数をもって法律案を再可決すれば、大統領の拒否を覆し法律案を正式の法律とすることができるのである。

 下院および上院を通過したすべての法律案は、法律となるに先立ち、合州国大統領に送付されることを要する。大統領はこれを可とすれば、これに署名する。否とすれば、これに拒否理由をそえて、これを発議した議院に還付する。

 その議院は、その拒否理由の全部を議事録に記録し、法律案を再議に付する。再議の結果、その議院が三分の二の多数をもって、その法律案の通過を可決したときは、法律案は大統領の拒否理由書とともに他の議院に回付され、他の議院でも同様に再議に付される。

 そして再び三分の二の多数をもって可決された場合には、その法律案は法律となる。すべてこれらの場合に両議院における表決は、指名による賛否の表明によってなされ、法律案に対し賛否の投票をなす人々の氏名は、それぞれの議院の議事録に記載されるものとする。

 もし大統領が法律案の送付を受けてから十日以内(日曜日を除く)にこれを還付しないときは、その法律案は署名を得た場合と同様に法律となる。ただし、連邦議会の閉会により法律案を還付することができない場合は法律とならない。

 すべて両議院の同意を必要とする命令、決議もしくは表決(休会の決議をのぞく)は、これを合州國大統領に送付する。その効力を生ずるためには、大統領の承認を得ることを要する。もし大統領の承認のない場合には、上院および下院の三分の二の多数により、法律案の場合と同様の規則および制限に従って、再び可決されることを要する(ザ・フェデラリスト付録アメリカ合州國憲法案)。


 ザ・フェデラリストの著者の一人であったアレグザンダー・ハミルトンはウイリアム・ブラックストンの「英法釈義」から大きな影響を受けており(アレグザンダー・ハミルトン伝アメリカを近代国家につくり上げた天才政治家)、アメリカ大統領はいわばイギリス國王の代替人であった。だから例えば日本国憲法下において、国の元首である天皇が立憲君主として立法機関の国会に対する法案拒否権と行政権とを持ち(内閣は天皇の行政権を輔弼する機関となる)、衆貴もしくは衆参の両院は、それぞれ三分の二以上の多数をもって、天皇に拒否された法律案を再可決すれば、天皇の拒否を覆し、天皇の裁可を経ることなく法律案を正式の法律とすることができるというなら、日本国憲法は、アメリカ大統領と上下両院のアメリカ議会との間で意見の不一致が生じた際の解決方法を、天皇に拒否された法律案を国会が法律として成立させるための規定として採用した英米系の憲法と言えただろう。

 それは大日本帝國憲法に比べて議会の権限を強化する代わりに、播磨國風土記にある第十五代応神天皇の大法山(おおのりやま)の故事から復元された法律王命主義を否定し、「日本らしさ」を捨てるものであるが。

 しかるにGHQ民政局は、ザ・フェデラリストに背反して、日本の国会を衆参両院を公選議院にしてしまったばかりか、アメリカ大統領と上下両院のアメリカ議会との間で意見の不一致が生じた際の解決方法を衆議院と参議院の関係規定に無理やり捻じ込んだものだから、日本の国会は極めて歪(いびつ)で不合理な欠陥品となってしまった。

 GHQ製日本国憲法下の我が国では、有権者が与党に衆議院の三分の二議席に届かない衆議院の過半数議席を与え、野党に参議院の過半数議席を与えた時に限り、国会はねじれて、衆議院と参議院、内閣と国会との間に辛うじて権力の分立抑制(矯正)均衡関係が生じ、国会は熟議を行うようになる。すなわち政府与党は、ねじれ国会を乗り越える為に、誠実に国会審議を行い、誠心誠意をもって野党の説得に努め、法律案と予算案の欠陥を指摘してくれる野党に心から感謝し、正鵠を射た野党の批判を積極的に採り入れて参議院議員の過半数の賛成を獲得しなければならない。この過程を経なければ、政府与党の法律案および予算案は国会の可決を得られないからである。

 この過程が議会政治の真価であって、実は国民を含む国家にとって「ねじれ国会」の常態化が望ましいのである。公選一院制の国会では、国会の多数を占めた政党は数を頼んでろくな審議もなしに悪法を強行採決することができ、野党の説得に努める必要もなければ、野党の批判に耳目を傾注する必要もなく、政党政治は単なる数の暴力政治-選挙による専制政治となり、伊藤博文の憲法義解大日本帝國第三十三條解説のいう、

 「而して勢力を一院に集め、一時感情の反射と一方の偏向とに任じて、相互に牽制その平衡を持する者なからしめば、たれか其の傾流奔注の勢い容易に範防(妥当性、正当性の限界)を踰越し、一変して多数圧制となり、再変して横議乱政とならざることを保証する者あらむや。
 此れ其の弊は却て代議の制なきの日より猶(なお)甚だしきものあらむとす。故に代議の制設けざればやむ。これを設けて二院ならざれば必ず偏重を招くことを免れず」

という事態に陥るのである。

 だから国家が議会制デモクラシーを導入する際、憲法は必ず議会を二分割し一方を公選議院に、他方を非公選議院にして「議会のねじれ」を制度化しなければならないのに、マッカーサーらGHQは、ソ連共産党を模倣した大政翼賛会の一党独裁を阻止した大日本帝國憲法を違法不当に我が国の最高法規の地位から追放し、日本政府と衆議院三大政党が希望した「参議院職能代表制案」を潰した。

 この結果として、運よく国会がねじれた場合でも、伊藤博文の座右の書「ザ・フェデラリスト」の詳述するデモクラシーの弊害すなわち入念な構成を持つ上院によって矯正されなければならない以下の公選議院特有の欠陥が、衆参両院から成る実質的公選一院制の国会から内閣まで国政全般を覆い尽くすことになってしまった。

<公選議院特有の欠陥>

・党利党略に走り、度を越した有害な決議を行う。
・立法の目的や原理について、必要な理解と知識がない。
・不安定で、思いつきの政策を乱発し、自国の利益を他国の餌食にする。
・私欲に塗れ、国家の名誉を重んじない。
・重大な事態において責任が欠如する。
・議席を獲得するために有権者をだます。

<日本を再興する情報>

小林よしのりが「論外の男系カルト」に貶めた歴代天皇

明治天皇と昭和天皇の御子孫にあたる旧宮家

旧宮家の皇室復帰意義は30年前の予言書が指摘する日本の最悪危機の克服

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ゴジラが日本の領海に浮上した時の政府の権限(大日本帝國憲法第七十條)

枢密院帝國憲法制定会議帝国憲法草案第七十條 國家の危難を避くる為に緊急の需用ある場合に於て内外の情形に因り政府は帝國議会を召集すること能わざるときは勅令に依り財政上必要の処分を為し國債を起し又は臨時に新税を課することを得 前項の場合に於ては次の会期に於て帝國議会に証明し其の将来に法律の効力を要するものは議会の承認を求むべし。

【枢密院に提出された第七十條注解】

 本條の解釈は既に第八條に具わる。故に本條に於ては独逸各邦の同一又は類似の 條文を引載し参考となすを以て足れりとすべし。

 本條の第八條と異なる所の者は、第八條は憲法に於て議会開会せざるときは臨時会の召集を要せず、本條は議会開会せざるときは臨時会の召集を要し、而して内外の情形に由り臨時会を召集し能わざるときに限り、始めて議会の叶同(註、 キョウドウ-叶は、多くの人々の言葉と言葉が調和するの意味を表す。協の古字 )を待たずして必要の処分を施すことを得。蓋し本條は専ら財政に関るを以て更 に一層の慎重を加ふるなり
 
 本條に所謂財政上必要の処分とは、立法議会の承認を経べき者にして、而して 臨時緊急の場合の為に承認を経ずして処分するを云う。即ち会計法に定めたる定期証券を額外に増発し、又は紙幣を増発するの類を云うなり。

 全二項に於て、政府臨時の処分、及一時の徴税は其の会計を議会に証明するに 止まり、承認を要するの限に在らず。但し租税に係る勅令にして永久に施行する 経常税の効力を有せしめ、及國債の勅令に就て将来國庫の為に義務を生ずるが如きは、更に議会の承認を求むるを要す。

【枢密院に提出された第七十條参照】

巴威爾(バイエルン)第七條 國王は非常なる外部の事状に由て國会が翌年の為の新定の予算を 付予すべき会期の当年に召集することを妨げらるるときには仍前年度の租税を六 箇月間引続き徴収するの権利を有す。

第十五條 非常の場合に於て外事の危迫に由り不得已(註、やむをえず)國債の募集を要し而して外部の時情國会を召集すること能わざらしむるときは常置委員 は國会の名に於て募債前諾を予うるの権利を有す。國会の召集を得る場合に至れば直に募債に係る一切の商議を報告して國債台帳に記入すべし。

巴丁(パーデイ)第六十三條 開戦準備の際に於て又は交戦の間に於て大公は連邦の義務を迅 速に且つ有効に履行する為に國会の承認を受けずして國債を起し及び戦税を課することを得。此の場合に於て國会は下に掲げたる監督及共同行政の権を行う。

索遜(ザクソン)第百五條 政府は國会の承諾なくして有効に國債を募集することを得ず。至急を要する場合に於ては両議院の臨時会を開かむべし。若し臨時会を開くこと を得ざるときは國王は内閣の責任を以て國債を命令す。但し成るべく速に之を承 認する為に國会を召集すべし(一八五一年改正の條)

 明治の自由民権運動を代表する交詢社系の郵便報知新聞社説私考憲法草案と交詢社の私擬憲法案に帝國憲法第七十條に相似する條項は無い


 帝國憲法草案第七十條は、枢密院の審議によって「公共の安全を保持する為緊急の需要ある場合に於て内外の情形に因り政府は帝國議会を召集すること能わざるときは勅令に依り財政上必要の処分を為すことを得 前項の場合に於ては次の会期に於て帝國議会に提出し其の承諾を求むるを要す」と修正された。この修正案が明治天皇の御裁可を得て大日本帝國憲法第七十條となった。

・私見-ゴジラが日本の領海に浮上した時の政府の権限

 大日本帝國憲法起草者の一人である金子堅太郎から帝國憲法のコメンタリー「憲法義解」の英訳を贈られたマサチューセッツ州の大審院判事オリバー・ウェンデル・ホームズ(元ハーバード大学教授、金子堅太郎の師、のちにアメリカ連邦最高裁判所判事)は帝國憲法を次のように評した。

 「この憲法は予の観察する所によれば、古来専制の君主権を制限して人民に参政の権利を与えられるものなり。其の之を制限し其の之を付与するに付きこの憲法は明に君主権を制限する箇条を示し、また詳らかに人民に附与せし権限をも明文に記載せり。而して其の不文に属し明瞭に記載せざるものは往古の如く悉く天皇の旧来継承せらるる大権に属するものなりとの主義を採るて起草せられたるが如し。

 そもそも憲法政治とは一国の政治を処理する機関の配置及び権限を明確にし、之を主管又は執行する軌轍を明示し、その確定したるものは天皇といえども濫りに之を変更することを得ざるの政体を云う。而して其の機関の中において人民もまた政治上に参与するの権限を得たるの政体を云う。

 然れども其の参政の程度及び権限は広狭は各国古来の歴史習慣等によりて定まるべきものなり、故に甲国においては参政の程度広大にして乙国においては其の区域の狭小なるものあり。これ全く各国の習慣及び歴史より生ずるものなり。これ憲法に付いては一定の原理なき証拠なり。

 然れども其の参政の区域の広狭に拘らず憲法を以て帝王の専横を検束し、人民に参政の権利を与えたる政府なれば之を称して立憲政府と云わざるを得ず。日本憲法はこの理を看破せられたるものと予は断言せんと欲す。  

 又日本憲法は天皇の大権のある部分を拘束して本年よりは日本人民に政治上の生命を与えられ、而してこの政治上の生命は古来いまだかつて存在せざるものなり。この政治上の生命あれば即ち其の政府を称して立憲政府と謂わざるを得ず。日本政府においてこの論理を採用せられたるは予がもっとも感服する所にして、賢明なる政治家の所為と言わざるを得ず。」(金子堅太郎著憲法制定と欧米人の評論1938年334~341頁


 憲法は「一国の政治を処理する機関の配置及び権限、之を主管又は執行する軌轍」の中でも特に非常事態において国家の存立と国民の生命を守るための政府の権限とこれを行使するための手続きを明示しなければならない。非常時の政府は国家的な危機を克服するために平時の政府より強大な権限を行使せざるを得ないからである。憲法がそれに一定の歯止めをかけることこそ立憲政治である。
 
 帝國憲法第七十條「帝國議会の召集不可能時の緊急の需要ある場合における勅令に依る財政上必要の処分」は、憲法の非常事態対処規定の模範である

 天皇の政府が緊急勅令を発して財政上の必要の処分を行い、これを次の会期の帝國議会に提出したものの、議会の承諾を得られなかった場合はどうなるのか。伊藤博文の大日本帝国憲法義解第七十條は次のように解説している。

 「所謂財政上必要の処分とは、立法議会の協賛を経べき者にして而して臨時緊急の場合の為に協賛を経ずして処分するを謂う。

 臨時財政の処分にして将来に國庫の為に義務を生じる者、もし議会の事後承諾を得ざるときは、何等の結果を生ずべきや。蓋し議会の承諾を拒むは将来に続行するの効力を拒む者にして、其の既に行える過去の処分を追廃するに非ず(第八條の説明既に之を詳にす)。故に勅令に依り既に生じたるの政府の義務は議会これを廃すること能わず。

 そもそも若しここに至らば、國家不祥の結果として視ざることを得ず。これ本條の國家の成立を保護する為にやむを得ざるの処分を認め、又議会の権を存崇して尤も慎重の意を致す所以なり」
 

 緊急勅令による臨時財政上の必要の処分、たとえば戦費調達のための止むを得ない外債の発行あるいは外国製武器の購入から既に生じた政府の支払い義務は、臣民の租税負担を加重するにもかかわらず(今日の管理通貨制度では必ずしもそうではないが)、臣民の代表機関である帝國議会は外國に対する政府の支払い義務を廃止し得ない。

 ゆえに帝國憲法上、政府が議会の事前承認を経ずに既存の法律を改廃する緊急勅令(第八條)を発するための要件(必要な条件)より、議会の事前承認を経ずに臨時財政上の必要の処分を行う緊急勅令(第七十條)を発するための要件が厳しくなっているのである。

 従って大日本帝國(帝國憲法を最高法規として戴く日本)では、たとえ帝國議会の閉会中にマリアナ海溝からゴジラが日本の領海に浮上しても、宇宙からアンゴル・モアが日本の領空に降臨しても、帝國議会の召集が可能な限り、日本政府は、緊急勅令に依る臨時財政上の必要の処分を実行してはならず、帝國陸海軍にゴジラとアンゴル・モアを迎え撃たせるための年度歳入歳出総予算追加案を編成し、これを帝國議会に提出して衆貴両院の協賛(承認)を経なければならない。

 この帝國憲法第七十條は、ソ連共産党と国家社会主義ドイツ労働者党(略称ナチス)を真似た大政翼賛会の一党独裁を阻止し、近衛新体制運動を推進した尾崎秀実ら近衛内閣の革新政治幕僚たちの無法な野望を粉砕した救國の憲法條項の一つである。

 近衛文麿は、陸軍参謀本部の猛反対を恫喝してトラウトマン和平工作を打ち切り、「爾後国民政府を対手とせず之を抹殺する」の第一次近衛声明を発表した。近衛は長期戦を遂行するために止むを得ず国家総動員法発動と近衛新体制運動を推し進めたのではなく、上からの國内革新を実現するために、故意に支那事変を長引かせ、経済上の困難が甚だしきに至る非常事態を日本國内に作り出したのである。

 しかしながら日本国内に戦死傷者と失業者と餓死者が溢れ経済が破綻するほどの戦争状態、あるいは大規模テロ、あるいは自然災害といった凄惨な非常事態が発生しても、帝國議会の召集が可能な限り、日本政府は予算案を編成し、これを帝國議会に提出して、衆議院代議士と貴族院議員の審議と批判と議決を仰がなければならない。

 ゆえに大政翼賛会が成立した直後の第七十六回帝國議会では、近衛内閣は、衆議院代議士と貴族院議員から猛非難を浴び、大政翼賛会の予算を大幅に削減せざるを得ず、翼賛会は政府の補助組織に転落したのである。つまり「ヒトラーのナチス独裁党の誕生を許すワイマール共和国の欠陥が明治憲法にはなかった」のである(中川八洋著近衛文麿とルーズヴェルト―大東亜戦争の真実133頁)。

 ところが自民党長老の中山太郎をはじめシェイエスの革命的制憲論にかぶれた連中の「民約(民定)にあらずんば憲法にあらず」という憲法観によると、大政翼賛会の一党独裁を阻止した欽定の大日本帝國憲法は憲法ではなかったということになってしまう。
 この狂った憲法観にとりつかれた政治家は、帝國憲法を無視し或いは軽蔑するので、彼等の憲法論は蛙鳴蝉噪(あめいせんそう、カエルの鳴き声とセミの鳴き声、つまらぬことをグダグダと述べている文章、つまらない議論という意味)となるのである。

 政治家を志す日本の若者は、「日本をカエル」とか「ミンイの尊重」とか叫ぶ前に、帝國憲法を学び、枢密院帝國憲法制定会議に結集した偉大な明治の先人たちの叡智や政治哲学をすべて吸収すべきである

<日本を再興する情報>

小林よしのりが「論外の男系カルト」に貶めた歴代天皇

明治天皇と昭和天皇の御子孫にあたる旧宮家

旧宮家の皇室復帰意義は30年前の予言書が指摘する日本の最悪危機の克服

日本国憲法無効論への疑問と回答-無知蒙昧な青山繁晴への義憤

戦後日本の歴史教育および歴史報道の虚偽を立証する大東亜戦争とスターリンの謀略-戦争と共産主義

・朝日新聞社の報道犯罪を告発する脱 ・ 洗脳史講座 

・身近にいる反日新聞の定期購読者にをプレゼントすると『真実を知り、WGIPを引き継いで日本人を狂わせている反日新聞の定期購読を止め、新聞代を節約できた』と心から感謝されますわーい(嬉しい顔)貴重な第一次史料満載!世界中で日本人に対する偏見と差別と迫害を助長している反日新聞社を崩壊させる無料の大東亜戦争史

スパイ防止と拷問禁止と縁座制復活(大日本帝國憲法第二十三條)

枢密院帝國憲法制定会議憲法草案第二十三條 日本臣民は法律に依るに非ずして拿捕監禁及糾治を受くることなし

【枢密院に提出された草案第二十三條注解】

 本條は人身の自由を保証す。蓋し奴隷の俗は我が國に於いて、中古以来漸く其の風を絶ち、維新の後大令を下し、人身の売買を禁ずるに至て(六年)既に其の根を拔き、而して憲法に條を設けて之を防制するの必要なきことを得たり。

 但し人身の自由は警察及治罪の処分と密接の関係を有し、其の間分毫の余地を容るること能わず。一方に於いては治安を維持し罪悪を防範し、及び検探糾治するの必要なる処分をして敏捷強勁ならしむるに拘らず、他の一方に於いては各人の自由を尊重して其の界限を峻厳にし、威権の蹂躙する所たらしめざるは、立憲の國に於いて尤も至大の要件とする所なり。

 故に警察及び司獄官吏、法律に依らずして人を逮捕し、又は監禁したる者は之を処罰すること、私人より重からしめ(刑法二百七十八條、二百七十九條)、而して糾治の方法に至ては、亦之を警察官に委ねずして必ず之を司法官に訴えしめ、司法官又は警察官、被告人に対し罪状を供述せしむる為に凌虐を加うる者、及び司法官遷延して審理せざる者は、又重を加えて処断す(刑法二百八十二條、二百八十三條)。

 務めて周匝縝密の意を致して以て臣民を保護し、而して拷問及び其の他中古の遺制は、歴史上既往の事蹟として復た現時に再生することを得せしめず。漸くに人身の自由をして安固の塗轍に入ることの冀望あらしめたり。

 本條は将来の為に侵すべからざるの証明を與え、必然に実際の効力を期する者なり。

【枢密院に提出された草案第二十三條参照】

英(イギリス)大條約書第二十九條 一の良民も國の法律に拠り同列の正当なる裁判に依るに非ざれば逮捕繋獄せられ又は財産を褫奪(ちだつ)せられ法律の保護を剥奪するの刑に処せられ又は國外に追放せられ又は其の他の侵害を受け及び侵害せしめらるべからず。

仏(フランス)千七百九十一年第七條 何人も法律に定めたる場合の外又法律に指定したる程式に依るに非ざれば之を告訴し之を逮捕し之を囚禁することを得ず。又専横の命令を要求し之を伝え之を行い之を行わしむる者は処罰せらるべし。但し凡そ國民は法律の効力に依て召喚され或いは差押えらるる時は其の時之に服従すべし。若し之を拒むときは罪ありとす(千七百九十三年以後の憲法は末段を除きたり)。

白(ベルギー)第七條 人身自由は保証せらる。法律に掲げたる場合に於いて及び法律に示す所の規程に依るに非ざれば何人も糾治を受ることなし。現行犯を除くの外因由を注明したる法官の令状に拠るに非ざれば何人も拿捕せらるることなし。其の令状は必ず拿捕の即時若しくは遅くとも二十四時内に之を宣示すべし。

伊(イタリア)第二十六條 人身の自由は保証せらる○何人も法律に掲げたる場合に於いて及び法律に指示したる規程に依るに非ざれば逮捕せられ又は裁判所に勾引せらるることを得ず。

荷(オランダ)第百五十一條 法律に定めたる場合の外に何人も理由を示明したる法司の命令に由るに非ざれば逮捕することを得ず。法司の命令は即時又は成るべきだけ速に逮捕せられたる者に宣示すべし。法律は此の命令の規式及罪人の糺治を受くべき期限を定む。

同第百五十二條 特別の場合に際し政府より荷蘭國民を逮捕せしめたるときは其の逮捕を命令したる者より即時に其の由を地方の法司に通知し且つ三日内に逮捕されたる人を送致することを要すべし。刑事裁判所は各々其の所管内に於いて本條の厳密なる施行を監視すべし。

普(プロイセン)第五條 人身の自由は保証せらる○特に拿捕処分に属する者に付いては法律に於いて其の何等の規程何等の約束を以て人身自由を制限し得べき款を定む。

墺(オーストリア)第一篇第八條 人身の自由は保証せらる故に人身自由に関る千八百六十二年十月二十七日の法律は此の根本法の一部を為す。凡そ法に違うて命令し又は淹久(註、えんきゅう-久しくとどまる)する所の逮捕は其の損害を被りたる者に対し國家より賠償すべし(抵抗を以て正当とするの條参照)。

仏(フランス)千七百九十三年権利宣告三十三條 横制に向ての抵抗は人の他の諸権利の結果たり。社会の一人たる社員にして横制を被るときは社会全体に対する横制とす、若し社会全体にして横制を被るときは各社員に向ての横制とす。

三十五條 若し政府にして人民の権利を破るときには騒乱は國民の為に及國民の各部の為に最神聖に最も缺くべからざるの義務とす。

【明治の自由民権運動を代表する交詢社系の郵便報知新聞社説私考憲法草案(カッコ内は交詢社の私擬憲法案)】

第七十二條 日本國民は現行犯罪を除くの外法律に遵て裁判官の発したる告状を示すにあらざれば之を拘引し若しくは其の家屋に侵入し其の物件書類を捜索し又は之を携去すべからず。(第七十三條「令状」「持去る」の外同じ)

第七十三條 日本國民は拘引の後四十八時間を出ずして裁判官の訊問を受くべし。もし其の時間を経過し裁判官告状を発して拘留せしむるにあらざれば之を釈放すべし。(第七十四條「令状」の外同じ)

第七十四條 日本國民は罪犯未決中保証人を設け相当の保証金を出して保釈を受るを得可し。(第七十五條 前半同じ。但し被告人の遁逃もしくは罪証を隠滅するの恐あるものは此限りにあらず)

第七十五條 日本國民は拷問を用いて自ら其の罪を白状せしめらること無かる可し。(第七十六條)

第七十六條 日本國民は其の族籍爵位を別たず同一の法律に依て其の自由権理の保護を受く可し。(第七十七條)

第七十七條 既往に遡りて施行すべき法律は制定すべからず又法律に提示せざる罰を施し或は法律を枉ぐることある可(べか)らず。(第七十八條 既往に遡りて施行すべき法律は制定すべからず。但し制定の法律に依て罪の軽減もしくは消滅すべきものは其の法律に従うべし)


 帝國憲法草案第二十三條は枢密院の審議によって「日本臣民は法律に依るに非ずして逮捕監禁審問処罰を受くることなし」と修正された。これが明治天皇の御裁可を得て大日本帝國憲法第二十三條となった。 

 枢密院帝國憲法原案第二十三條注解に引用されている刑法は、旧刑法(1880年法律第三十六号)であり、旧刑法第二百八十二條に相当する新刑法(1907年法律第四十五号)は刑法第百九十五條(特別公務員の暴行凌虐)である。

・私見-スパイ防止と拷問禁止と縁座制復活

 機密を保護しスパイを防止する法律体系の再生に反対する我が国の反日左翼勢力は、これに対する誹謗中傷として、特定秘密保護法の施行=治安維持法の復活=特高警察の復活=拷問の復活=戦前の復活(戦前への逆戻り)という等式を喧伝する。自民党の改憲案に対しても同様である。

 しかし自民党が本当に拷問の解禁を目論んでいるのであれば、それは「戦前の復活」ではなく、大日本帝國憲法第二十三條と戦前の新旧刑法の完全否定である

 スパイ防止法に反対する新聞社や知識人が本当にスパイ防止法の施行=治安維持法の復活=拷問の復活と考え、これに恐怖しているのであれば、帝國憲法第二十三條の立法趣旨である「これ皆務めて周匝縝密の意を致して以て臣民を保護する所以にして、而して拷問及び其の他中古の断獄は、歴史上既往の事蹟として復た(また)現時に再生することを得せしめず。本條更に之を確保し以て人身の自由をして安固の塗轍に入らしめたり。」(伊藤博文著憲法義解帝國憲法第二十三條解説)を実現するために、刑法第百九十五条および刑法第百九十六条(特別公務員の職権濫用による致死傷)の罰則強化を主張したらどうなのか。

 すなわち我が国は刑法第百九十五条の罰則を「七年以下の懲役又は禁固に処す」から「十年以下の懲役又は禁固に処す」に改め、刑法第百九十六条の罰則を「傷害の罪と比較して重い刑により処断する」(これは明らかに帝國憲法第二十三條の立法趣旨から派生した規定である)から「死刑又は無期若しくは十年以上の懲役に処す」に改めるのである。

 これでも拷問廃絶の実現に不十分であれば、我が国は、帝國憲法第二十三條の立法趣旨である「警察司獄官吏法律に依らずして人を逮捕し又は監禁し又は苛刻の所為を施したる者は其の罰私人より重からしめ、司法官又は警察官被告人に対し罪状を供述せしむる為に凌虐を加うる者は重を加えて処断す」(伊藤博文著憲法義解帝國憲法第二十三條解説)を更に徹底し、刑法第百九十六条に縁座制を導入し、同条二項に「前二条の罪を犯し因て人を死傷に致したる者(註、裁判、検察、警察の職務を行い又は之を補助する者および、法令に因り拘禁せられたる者を看守又は護送する者)の父母および配偶者および子は十年以下の禁固に処す」と加えればどうか。

 縁座制が国会議員や高級官僚といった国家権力に属している公人およびその家族以外の国民に適用されるのであれば、それは虐政であるが、公人およびその家族以外の国民に適用されないのであれば、それは必ずしも虐政とは言えないのではないだろうか。公権力者自身が公権力者を私人より苛酷に処罰するのである。我が国の縁座制について瀧川政次郎博士は次のように解説している。

 縁座および連座の制は、この時代においてもまた広く行われた。すなわち「御定書」以前においては、主殺しの重罪のごときは、その父母兄弟その他の一族までも処刑せられ、また火罪、獄門、磔に処せられた者の妻子のごときも、それぞれ刑に処せられた。

 元文二年(一七三七年)吉宗は、この縁座の法が戦国の遺風にして道理に背けることを悟り、自今以後百姓町人その外身分の軽き者共の間にあっては、主殺、親殺の外は、全然縁座の制を適用すべからざることを命じた

 「有徳院(吉宗)御実記附録」は、すなわちこの吉宗の英断を頌して(註、しょうして-ほめたたえる)「さればこれより先、重罪を犯す者は一族までも連座しけるが、この御時より刑科を省かせ給い、親子の間といえども、親の罪に子は坐し、子の罪に親は坐せざる事となりしとなり、」云々といっている。

 しかし武士階級の間にあっては、「御定書」以後にあっても、縁座の制は依然適用せられたのであって、死罪以上の刑に処せられた者の子は遠島に、遠島の者の子は中追放に処せられた

 従って寛政元年(一七八九)、松平定信は、この法の不条理、不合理なることを痛感してその修正を評定所に諮り、また文政九年(一八二六)、勘定奉行石川右近将監忠房は、評定所留役の川路左衛門尉聖謨の勧めよって、その停廃を幕府に進言したが、保守的な幕府の当路者はいずれも重大なりとしてあえて裁決を下さなかった(瀧川政次郎著日本法制史下149ページ)。


 筆者が思うに、戦国時代に縁座制刑罰が拡大し苛酷になった要因の一つは、それこそ朝日新聞社出身のソ連スパイ尾崎秀実のように自分一個の死を覚悟して諜報謀略破壊工作を行う者が日本全国に溢れ出て、実行犯のみに対する死刑は重罪を抑止する威力を喪失したからではないだろうか。

 因みに機動戦士ゼータガンダム第4話「エマの脱走」では、反地球連邦政府組織エゥーゴのクワトロ・バジーナ大尉(シャア・アズナブル)が戦闘を停止しない地球連邦軍ティターンズのパイロットに対し「家族ともども死刑になるぞ、停戦信号の見落としは!」と警告した。

 人類が大戦を送迎するごとに戦時国際法は進化するのだが、宇宙世紀の戦時国際法は、約55億人を死に至らしめた一年戦争を経て、我が国の戦国時代と同じ苛酷な縁座制刑罰を採用するに至ったようである。

 縁座制復活の是非はともかく、刑法第百九十五条(特別公務員の暴行凌虐)および第百九十六条(特別公務員の職権濫用による致死傷)の罰則強化を主張しない我が国の反日左翼勢力は、実は拷問復活の可能性に怯えていない。それは有り得ないと確信している。  

 ただ連中はスパイ防止法の制定や憲法改正あるいは日本国憲法無効・帝國憲法復元改正を妨害するために、「それらは拷問を復活させるぞ」などという真っ赤なウソを吹聴して無知な国民を脅しているにすぎないのである。

<日本を再興する情報>

小林よしのりが「論外の男系カルト」に貶めた歴代天皇

明治天皇と昭和天皇の御子孫にあたる旧宮家

旧宮家の皇室復帰意義は30年前の予言書が指摘する日本の最悪危機の克服

日本国憲法無効論への疑問と回答-無知蒙昧な青山繁晴への義憤

戦後日本の歴史教育および歴史報道の虚偽を立証する大東亜戦争とスターリンの謀略-戦争と共産主義

・朝日新聞社の報道犯罪を告発する脱 ・ 洗脳史講座 

・身近にいる反日新聞の定期購読者にをプレゼントすると『真実を知り、WGIPを引き継いで日本人を狂わせている反日新聞の定期購読を止め、新聞代を節約できた』と心から感謝されますわーい(嬉しい顔)貴重な第一次史料満載!世界中で日本人に対する偏見と差別と迫害を助長している反日新聞社を崩壊させる無料の大東亜戦争史

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山中伸弥教授が教えてくれた栄誉の源泉の所在(大日本帝國憲法第十五條)

枢密院帝國憲法制定会議憲法草案第十五條 天皇は爵位を授け勲章及其の他の栄章を賜與す

【枢密院に提出された草案第十五條注解】

 恭て按ずるに、至尊は栄誉の源泉なり。蓋し功を賞し労を酬い、與うるに栄誉高厳の品位を以てするは専ら天皇の大権に属す、而して臣子の窃弄を容さざる所なり。

 我が國大古簡朴の世、加婆禰(註、かばね)を以て貴賤の別を為す。推古天皇十一年に始めて爵位十二階を定め、其の明年諸臣に頒ち賜う。天武天皇十四年定めて四十八階となす。文武天皇賜冠を停めて、易うるに位記を以てせらる。大宝令載する所凡そ三十階是れ今の位階の因て起る所なり。又勲位十二等は以て武功を賞し、及孝弟力田の人に賜う。中古武門専権の時に当て賞罰の柄既に幕府に移るといえども、叙授の儀典は猶朝廷に属することを失わず。

 維新の後明治二年位制を定め、一位より九位に至る。八年勲等賞牌の制を定む。天皇親佩の式を行い、親王以下各々賞牌を授く。十七年五等爵の制を定む。これ皆以て賞奨を昭にし、顕栄の大典を示す者なり。

(附記)之を欧州各國に参照するに、内旨濫賞及爵を売るの弊は二百年来史乗の汚点たり。之が為に貴紳の風俗を頽廃せしめ、児童の戯に類し、誠実報効の士は反て其の栄を耻るに至る(ブルンチュリ氏)。近世に及んで他の各般の立憲制度と倶に弊失を洗除し、勲爵の叙授また必ず責任執政の輔翼を要するに至りたりと云う。

【枢密院に提出された草案第十五條参照】

瑞典(スウェーデン)三十七款 王は忠実剛勇徳器学芸功労篤志にして王及王國より特に恩典を享くべきの人に向て爵号を賜うの権あり又王は非常の功労を賞する為に貴族に向て「バロン」の爵を賜い「バロン」に向て「コムト」の爵を賜うことを得。

白(ベルギー)第七十五條 王は爵号を賜う但し何等の特権を附與すべからず
同第七十六條 王は軍勲を賜う但し法律に掲ぐる所の條規に従う

荷(オランダ)第六十三條 王は爵号を賜う
普(プロイセン)第五十條中 王は勲章及特権を附加せざる栄章を賜う
墺(オーストリア)行政権憲法第四條 皇帝は爵号勲章及其の他の栄章を賜う

【明治の自由民権運動を代表する交詢社系の郵便報知新聞社説私考憲法草案(カッコ内は交詢社の私擬憲法案)】

第四條 皇帝は諸般の法律を布告し陸海軍を統率し外國に対して条約を結び戦令を発し講和を為し官吏を命じ爵位を授け功労を賞し貨幣を鋳造し罪人を懲罰し罪犯を宥恕し左右両院を開閉し中止し左議員を命じ右院を解散するの権あり但し海関税を更改するの条約は予め之を左右両院の議に付す可し(第六條 天皇は法律を布告し海陸軍を統率し外國に対し宣戦講和を為し条約を結び官職爵位を授け勲功を賞し貨幣を鋳造し罪犯を宥恕し元老院國会院を開閉し中止し元老院議員を命じ国会院を解散するの特権を有す但し海関税を更改するの条約は予め之を元老院国会院の議に附すべし)

第四條註解  

 本文に列記せる皇帝陛下に属すべき特権は治國の要領にして行為の権ことごとく皇帝陛下に属すといえども直ちに其の任に当りて其の事を執るものは皆皇帝陛下の臣民にして陛下に代わりて之を行うなり。而してそのこれを行う責は皆その臣民に存して而して臣民の行為は法律に準拠せざるべからざるをもって國民の幸福は自ら法律の下に安息するものなり然り。

 而して海関税の一事は固より各國の皇帝もしくは大統領と結約して施行する所のものなれば、其の係る所広く関する所のもの大なり、最も鄭重を要せざるべからず。これ皇帝陛下を補佐する者陛下に対し奉りて能く其の職を尽くし最も適宜の行為に出でんことを要するの意より先ず議院に附するの美蹟に了らんことを考うる所以なり。


 帝國憲法草案第十五條は黒田清隆内閣によって「天皇は爵位勲章及其の他の栄典を授與す」と修正された。この内閣修正案が枢密院第二審憲法会議によって可決され、明治天皇の御裁可を得て、大日本帝國憲法第十五條となった。

 明治十七年(一八八四年)の五等爵の制とは、「華族授爵の詔勅」によって、華族に列せられていた元公卿・元諸侯等と国家功労者の家の戸主に公・侯・伯・子・男の五爵が授けられたことを指す。

・私見-山中伸弥教授が教えてくれた栄誉の源泉の所在

 文化の日の2012年11月3日、文化勲章の親授式が皇居で行われ、受章者らが喜びを語った。ノーベル医学賞を受賞した山中伸弥教授は「きょうのこの日が、一番光栄な瞬間であり、陛下から文化勲章をいただいた時の感激は、一生忘れることはないと思う」と語った。

 山中伸弥教授は、世界で初めて再生医療を飛躍的に発展させるiPS細胞(人工多能性幹細胞)の作製に成功し、人類史に燦然と輝く偉業を成し遂げただけでなく、依然として我が日本国の栄誉の源泉が天皇陛下であることを証明したのである。

 日本国憲法無効・大日本帝國憲法復原の後、山中伸弥教授が天皇陛下より爵位を賜れば勲功華族となり、その爵位が侯であれば、大日本帝國憲法第三十四條により山中伸弥侯爵は、公選議院(衆議院)の弊害を抑制し以て皇室国民国家を護る貴族院議員(華族議員)になる資格を得るのである(貴族院の果たす役割の詳細は同成社近現代史叢書の貴族院を参照)。

 おそらく日本国憲法無効・大日本帝國憲法復原後の貴族院の再生は意外に容易であろう山中伸弥教授は本当に日本人らしい偉大な日本人である。


<関連ページ>

・GHQの方針に反逆し歌舞伎を救った男マッカーサーの副官フォービアン・バワーズ大日本帝國憲法を「完全に有効でかつ実際にきわめて立派な明治憲法(the perfectly valid and really very beautiful Meiji constitution)」と称賛した。

 今度は日本国民自身が、GHQによって違法不当に最高法規の地位から追われた我が国の正統憲法たる大日本帝國憲法を救済しなければならない。

 「中国が攻めてくる!日本が憲法で滅ぶ」前に、日本民族がGHQによって僅か一週間の間に建設された粗末な違法監獄から集団脱走して明治の偉人が叡智を結集して建立した素晴らしい故郷の旧家に戻り、井上孚麿が「いくそたび かき濁しても 澄みかへる 水やみくにの 姿なるらむ 」という歌に込めた「日本民族の正統憲法復原力」を生み出すために(現憲法無効論-憲法恢弘の法理)。

・知らぬは日本人ばかりなり!世界がさばく東京裁判-85人の外国人識者が語る連合国批判ポツダム宣言を根拠にマッカーサー占領軍憲法(日本国憲法)の制定を有効と言ってきた敗戦利得者の政治家、学者、知識人、評論家、教師そしてほぼ全てのマスコミを壊滅させる。

問題1 1890年11月29日(大日本帝國憲法の施行日)から1947年5月3日(日本国憲法の施行日)までの日本國で実現しなかった政策はどれか。次の中から該当するものを選びなさい。

1、普通選挙法の制定
2、陪審制の施行
3、大政翼賛会の一党独裁
4、婦人参政権の付与

 正解は3。ワイマール憲法は国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)の一党独裁を許してしまったものの、大日本帝國憲法はソ連共産党を模倣した大政翼賛会の一党独裁を許さず、近衛新体制運動を推進していた朝日新聞出身のソ連スパイ尾崎秀実ら近衛文麿の革新幕僚(昭和研究会に参集していた共産主義者)の無法な野望を粉砕した(詳細は近衛新体制を参照)。
 また婦人参政権は1945年12月17日に帝國憲法第三十五條に基く衆議院選挙法の改正により実現した

問題2 伊藤博文、井上毅、金子堅太郎、伊東巳代治が大日本帝國憲法の起草のために参考にした外国の憲法はどれか。次の中から該当するものを選びなさい。

1、プロイセン憲法
2、ベルギー憲法
3、スウェーデン憲法
4、イギリス憲法
5、アメリカ憲法

 正解はこちらです。

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軍法会議の沿革(大日本帝國憲法第六十條)

枢密院帝國憲法制定会議憲法草案追加條項 特別裁判所の管轄に属すべきものは別に法律を以て之を定む

【枢密院に提出された草案追加條項注解】 無し。

【枢密院に提出された草案追加條項参照】 無し。

【明治の自由民権運動を代表する交詢社系の郵便報知新聞社説私考憲法草案(カッコ内は交詢社の私擬憲法案)】

第六十一條 裁判は総て法律によりて定まれる裁判所に於て裁判官法律に遵い之れを司る可し特別の裁判を開き特別の裁判官を命じて裁判を司らしむるを得ず(第六十四條 裁判は総て法律を以て定めたる裁判所に於て法律に遵い裁判官之を司どる可し特別の裁判所を開き特別の裁判官を命じて裁判を司らしむべからず)

第六十一條註解

 そもそも人民の自由を保護するに最も必要なるは法の独立不羈これなり。法は國帝と國民と共に遵守すべきものにして立憲政体基礎はすなわち法にありて存するなり。それ法の独立不羈を要するは法の効力を全く他の政権と分離してこれと相関せしめざるにあるなり。もし然らずして権威勢力のために法を左右するが如きあらば國民の幸福得て保全すべからざるなり。故に法官は全く官民と分離して毫も他の政権と関せざる一地歩を占め、ただ法に遵い法を守り法と共に進退すべきのみ。西人曰く、法官は即ち法の一部分なり、故に法に離れて裁判に関するを得ずと。これ本文に法によりて定まれる法廷に於て法に遵って審判すべき旨を掲明する所以なり。即ち法の独立不羈を要するの主意に出でたるものにして、國民の自由を保護せんと欲せば宜しく此かくの如くならざるべからず。フランスに行わるる行政裁判の如き其の他國民の自由不完全なる國に於て特別裁判所を開て一種の勢威を法の上に加うるが如きは國民の自由の滅却するものと云うべし。故に本文に於て特に此の意を明にせり。


 枢密院帝國憲法制定会議では、草案第六十條の可決後、寺島宗則が次のように新案の挿入を提議した。

 「本條の次、原案第六十一條の前に一條を新設し、之を第六十一條とし、原案第六十一條を第六十二條とせん事を委員に於て議決せり。新案の主意は山田氏より弁ずべし。」

 その新案は「特別裁判所の管轄に属すべきものは別に法律を以て之を定む」であり、憲法施行後の必要に応じて特別裁判所の設置を可能にする趣旨の規定であった。

 山田顕義法相は新案の趣旨を次のように説明した。

 「特別裁判所とは、行政裁判の外、権限、商法、職工、船舶というが如き種々の裁判所あり、これをいうなり。各國の憲法には一々これを列記せるものあり。我が國においては民法、商法、等の関係よりして、将来尚種々の裁判所を要すべきにより、今予め一々これを列挙するを得ず。只特別裁判所と成し本條を加えんとす。」

 新案第六十一條は異議なく可決され、第二審会議によって第六十條に移された後、明治天皇の御裁可を得て、大日本帝國憲法第六十條「特別裁判所の管轄に属すべきものは別に法律を以て之を定む」となった。

【大日本帝國憲法義解第六十條解説】

 陸海軍人の軍法会議に属するは、即ち、普通なる司法裁判所の外に於ける特別裁判所の管轄に属するものとす。其の他商工の為に商工裁判所を設くるの必要あるに至らば、亦普通の民事裁判の外に特別の管轄に属するものとす。凡そ此れ皆法律を以て之を規定すべくして、命令を以て法律の除外例を設けることを得ず。
 若しそれ法律の外に於て非常裁判を設け、行政の勢威を以て司法権を侵蝕し、人民の為に司直の府を褫奪するが如きは、憲法の之を認めざる所なり。


・私見-軍法会議の沿革

 戦場では国内法規に基く行政および司法と公共設備(インフラ)は必ず機能麻痺に陥る。だから戦場で国際法規に基いて戦闘を行う軍隊は行政および司法と公共設備から独立して活動するための自己完結能力を持たなければならない。それゆえ軍隊は自己完結能力の一環として軍事警察(憲兵隊)と軍法会議を運用し、自ら軍法違反者を逮捕、起訴、審判、処罰し、もって軍紀の厳正を保持するのである。

 帝國憲法下の法律は必ず帝國議会の協賛すなわち承認を経なければならないので、帝國憲法によって規定される法律事項はすべて帝國議会の承認事項(憲法第五條および第三十七條)であり、改正可能事項(憲法第三十八條)である。

 軍法会議を含む特別裁判所の管轄は法律事項であるから、軍法会議の形式手続は軍内自律型単審制であるべきか、軍内自律型複審制であるべきか、あるいは最終審判を最高裁判所に仰ぐ軍内下級審制(アメリカ型)であるべきかは、すべて特別裁判所の管轄を規定する法律案の可否を審議し議決する帝國議会と議会に代表を送り込む有権者たる國民が決定するのである。

 特別裁判所の管轄と同じく法律事項である國民の兵役義務(憲法第二十條)もそうである。國民の兵役義務を2年間にすべきか、あるいは兵役義務を徹底的に簡素化して徴兵制度を休止ないし廃止すべきか、國内の防衛に限定すべきか否か、すべて國民の兵役義務を規定する法律案の可否を審議する帝国議会と有権者が決定するのである。

<例、徴兵制を休止するための兵役法>

第一條 日本臣民は満十八歳の誕生日から一年以内に國防省兵役局登録事務所に出頭し、以下の兵役を履行しなければならない。

一、大日本帝國憲法を誠実に遵守することを宣誓する。
二、帝國の独立と生存と光栄を防衛することを宣誓する。
三、國防省の発行する書籍「民間防衛」と「軍人操典」を受領する。
四、司法省の発行する書籍「大日本帝國憲法義解」を受領する。
五、宣誓書と受領書に署名と指紋捺印を行い、それらを国防省に提出する。

第二條 第一條の兵役義務を履行しない日本臣民は衆議院に対する参政権を行使できない。

 軍法会議の管轄形式手続にしろ、国民の兵役義務にしろ、国民を含む国家の生存と同義である国家の軍事防衛に関して言えば、国民主権を標榜するGHQ製日本国憲法より、国民主権を否定する大日本帝國憲法の方が、よほど広範に、国民の代表機関である議会および有権者たる国民の政治的選択権を保障している。実際に大正時代の我が国の政府および帝国議会は法律を改正し、軍法会議の抜本的改革を行った。

東京朝日新聞 1920.12.22 (大正9年)神戸大学経済経営研究所 新聞記事文庫 軍事国防10-067

陸軍治罪法改正要旨

 陸軍治罪法は明治二十一年の制定に係り条数僅に百一条より成る急捷簡便を尚ぶ軍裁判手続とは云え、其の規定簡短に過ぎ、訴訟の形式を備えず。即ち公訴あるに非ず、公訴の原告官あるに非ず、原告被告法廷に立て互に攻撃防禦の方法を尽して後裁判官判決を為すに非ず。審理は長官の命令に因り始まり、裁判官は軍人のみを以て之に充て、其の審理判決は之を公開せず、被告人は弁護人を附するの制無く、裁判あるも長官の命令を受くるに非ざれば之を宣告することを得ず。裁判は一審即ち終審にして上訴を許さざる等只管軍紀保持の目的に偏重して審理手続きを簡易ならしめんことを努めたるものなるが故に、裁判の公正を確保し且被告人の利益を保護する点に於て欠如するもの少しとせず。是其改正を要する所以なり。

 改正案の要旨及主なる改正の事項を挙ぐれば、改正案は広く諸国の立法例を参酌し、大綱に於て軍紀を保持し軍の利益を保護することを目的とすると共に、裁判の公正を確保し及被告人の利益を保護する点に於て特に周到なる用意を為したるものなり。而して其の訴訟手続に付ては軍の利益を害せず軍裁判手続の精神に戻らざる限りは可成元法律取調委員会に於て起草せる刑事訴訟法改正案の規定に倣わんことを努め、而して刑事訴訟法の改正に先ち此等の規定を実行して支障無からしめんが為には特に規定を設けたり。

 以上の趣旨に依り編成したる陸軍軍法会議法案は五百六十二条より成り之を第一編軍法会議第二編訴訟手続及附則に分類す。第一編は之を軍法会議の裁判権軍法会議の管轄権、軍法会議の職員、審判機関、予審機関、検察機関の六章と為し第二編は之を総則、始審、上告、再審、裁判の執行の五章と為し、総則を更に細別して裁判官の除斥及回避、弁護及輔佐、裁判、書類送達、期間、被告人の召喚拘引及拘留、被告人の訊問、押収及捜索、検証、証人訊問、鑑定、通訳の十三節と為し、始審を細別して捜査、予審、公訴、公判の四節と為したり。而して治罪法なる名称は之を改めて軍法会議法と為したり。第二編訴訟手続の外第一編に普通法裁判所構成法に相当する規定を設けたるに由る。

 現行陸軍治罪法に改正を加えたる主要なる項目凡左の如し。

一、軍法会議の裁判は長官の認可を経るに非ざれば宣告することを得ざるの制を改め裁判は軍法会議独立の権限を以て之を行うものと為し且法文を以て其の審判には他の干渉を受くることなき旨を明にしたり

二、軍法会議の審判を秘密にするの制を改め之を公開するを原則とすることとしたり

三、軍法会議の審理に於て新に弁護人の弁護を許すの制を設けたり

四、法令の違背を理由とする上告の制を設けたり

五、軍法会議の名称裁判権及管轄に変更を加えたり
 軍法会議の名称に付ては師管に軍法会議を設くるの制を改め軍の司令権と裁判管轄とを成るべく一致せしむるの趣旨を以て軍法会議を師団に設くることとし其の他軍中に在りては軍団、師団混成旅団に軍法会議を設くるの制を改め必要に因り軍、独立師団及独立混成旅団に之を設くることとし且新に兵站に軍法会議を設くるを得ることとし尚従来単行法の規定に依り設くることを得たる臨時軍法会議に付ては規定を改正案中に移されたるが故に之に応じて夫々名称を改めたり

六、軍法会議職員の名称を改めたり現行法に於ける理事の名称は他に幾多疑似の名称ありて不可なるが故に之を法務官と改め陸軍警守は改正案に於ては書類の送達令状の執行等の外犯罪捜査に補助を為さしむる者なるを以て是亦其の名称を適当ならずとして陸軍警査と改めたり

七、現行法に於て専門法官たる理事は主として審問(予審に相当す)に従事し裁判官たらざるの制を改め之を裁判官即審判機関の一員に加えたり
 又裁判官は判士長判士と称して悉く将校を以て之に充つるの規定なれども改正案に於ては軍人裁判官中に専門裁判官を加うることとし高等軍法会議の裁判官中に二名其の他の軍法会議の裁判官中に一名の法務官を交うることとしたり

八、法務官を終身官とし且其の身分を保障するの規定を本案中に設け従来の理事分限令は之を廃することとしたり

九、新に検察官を置き之をして捜査を為し公訴を行わしむることとしたり
 現行法は公訴に提起の制なく随て其の提起機関の設けなきも改正案は新に公訴の制を設け検察官を置き之をして公訴の原告官と為し長官に隷属して捜査を為し公訴を行うべき者としたり而して検察官たるべき者は法務官中より長官之を命ずることとしたり

十、捜査権の系統及捜査各官憲の権域を明にし且憲兵を以て陸軍司法警察官と為したり
 憲兵は陸軍治罪法に於て捜査権を有し普通警察官は軍人軍属の犯罪に付ては現行犯の場合に限り特別処分を為すを得るの権限を有するに過ぎざるも改正案は之を改め陸軍司法警察官を設け憲兵及陸軍大臣の指定したる普通司法警察官を以て之に充て之をして等しく陸軍司法警察の職務を執らしめ尚長官、隊長に亦現行制に於けるか如く部下の犯罪に関しては捜査権を有せしむることとしたり

十一、裁判官の除斥、回避の制を設け且検察官及被告人より長官に裁判官の変更を具申し得るの規定を設けたり

十二、現行法には勾留を受けたる被告人に保釈を許すの規定なきも之を改め軍人軍属に非ざる被告人に付ては保釈を許し軍人軍属には旧に仍り責付のみを許すこととしたり

十三、検察官捜査中強制の処分を要するときは其の処分を予審官に請求するを得るの規定を設けたり

十四、現行法に於ける審問に相当する処分を予審と改め判決に相当する審級を公判と改めたり
 予審は旧に仍り専門法官たる法務官之に任ずることとしたり

十五、欠席裁判の制を廃したり

十六、再審に関する規定に変更を加えたり

十七、新に執行に関する規定を設けたり


・私見-軍法会議を開けない自衛隊は軍隊ではない

 我が国の自衛隊は帝國陸海軍とは違い軍法会議を開けないので検察庁(行政)と裁判所(司法)に依存して隊紀を維持している。従って検察庁と裁判所が必ず機能不全に陥る日本有事の際には、自衛隊法の罰則規定が死刑を欠くなど恐ろしく甘いことと相俟って、自衛隊は隊紀を維持できず内部崩壊するであろう。自衛隊は軍隊に必要な自己完結能力を完全に獲得できおらず、依然として法的組織的には軍隊並みの重武装を持つ警察なのである。

 元潜水艦艦長の中村秀樹氏は海上自衛隊に実戦能力がないことをシビリアンコントロールを行う有権者たる国民に訴え、次のように警鐘を鳴らしている。

 「また、国内法上の問題で規律が維持できない虞がある。それは軍刑法がないことだが、この深刻さもまた理解されていない。軍刑法がないため、規律違反の隊員に対する処置は一般の刑法や自衛隊法違反で裁くことになる。軍法会議がない以上、三審制の長期の裁判を覚悟せねばならない。戦争遂行を不可能とする軍規違反(そもそも軍規さえ存在しないが)が生起しても、その裁判が長期にわたり結審には何年もかかる。これでは違反に対する抑止効果がないので、規律違反や犯罪を防止できるわけがない。これでは、有事敵前逃亡が頻発するほか、規律維持も困難であろう。

 社会的な重大事件や悪質凶悪事件の裁判の長期化と判決の内容には、読者も疑問と不満をもたれているだろう。そういう我が国の司法の現実を踏まえれば、有事に自衛官の職務離脱や命令違反が大量(数十件でも十分に大量)に発生して、警務隊や司法当局の能力を超えてしまうことは想像に難くない。死ぬよりは長い裁判で拘留されることを選ぶ不心得者は、数名ではすむまい。

 日本社会の特殊事情として、裁判闘争に国内の特定政治勢力が介入することも、考慮すべきであろう。戦時の自衛官による職務離脱という重大犯罪を、平和のためと正当化する論法は、日本では必ずしも異常なことではない、というのも残念ながら現実である。それらの勢力は、敵国に友好的である可能性も高いことを考えれば、敵前逃亡などを教唆煽動する事態まで心配するのは、杞憂ではあるまい。」
本当の潜水艦の戦い方―優れた用兵者が操る特異な艦種 248ページ)。

 軍事組織の精強は先ず軍紀の厳正より生じるので、軍紀の厳正を保つための軍法会議の運用は軍事組織の要諦(物事の最も大切なところ、肝心かなめの点)である。我が国がGHQによって軍隊の運用を放棄させられてからすでに70余年が経過し、我々日本国民は軍法会議の運用を再開できるかどうか。それは恐ろしく困難な作業であろう。しかし日本国民は韓国人と違い漢字を読めるので、改正陸海空軍事法(尾山万次郎著/昭和18年発行/国立国会図書館デジタルコレクション)収録の陸海軍軍法会議法を熟読し理解し模倣し改良し現用化することはできる。

 GHQ製日本国憲法に自衛隊を明記する憲法第9条改正は、自衛隊の自己完結能力に欠けている部分を補充しないので、国防の強化には全く役に立たない。それより国会が、GHQ製日本国憲法第76条に基づき、家庭裁判所に倣い、最高裁判所に最終審判を仰ぐ自衛隊用の下級裁判所を防衛省自衛隊内に設置し、これを軍法会議を代替する軍事裁判所として自衛隊に運用させる方が、よほど国防の強化に役立つ。これは自衛隊内の法務官を育て、自衛隊員を含む日本国民の軍法会議運用能力を徐々に再生し、将来の我が国が国軍を再建しあるいは国防軍を創設するための準備となるからである。

・私見-小西洋之の無恥蒙昧な猿芝居によって示されたシビリアンコントロール不能国家の悲惨な現実
 
 参議院会派の立憲民主党・民友会に属する小西洋之(東大教養学部卒)は2018年5月8日のブログ記事「幹部自衛官 暴言事件、最終報告書の暴挙について」で次のように書いた。

「2.防衛大臣や統合幕僚長の監督責任を不問

○ この報告書は、幹部自衛官を懲戒に至らない訓戒処分とした上で、こうした暴言を許した防衛省・自衛隊の監督責任について一切不問としている。

○ 監督責任の追及と断固たる処断こそ、最大の再発防止策の一つである。国会議員によるシビリアンコントロールを否定し破壊しようとした空前絶後の暴挙に対して、小野寺大臣と河野統合幕僚長は即刻辞職すべきである。
 それがなされなければ、我が国のシビリアンコントロールは脆弱極まりないものとなり、将来において自衛隊によるクーデターが起きる危険を解き放つものと考える。」


 小西が本気で以上の様に考えているならば、自ら音頭を取って野党を動かし、陸軍刑法第一章を自衛隊法に移植し、自衛隊法に「国会議員ヲ其ノ面前ニ於テ侮辱シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス」を加え、さらに進んで自衛隊法の厳罰化を行うべきだが、もちろん小西はそれを行わない。だから以上の小西の主張は猿芝居に過ぎない。

 孫子始計篇は戦争の勝敗について次のように説く。

 「さらに次の七つの基本条件に照らし合わせて、彼我の優劣を比較検討し、戦争の見通しをつける。

一、君主は、どちらが立派な政治を行っているか。
二、将帥は、どちらが有能であるか。
三、天の時と地の利は、どちらが有利であるか。
四、法令は、どちらが徹底しているか。
五、軍隊は、どちらが精強であるか。
六、兵卒は、どちらが訓練されているか。
七、賞罰は、どちらが公正に行われているか。

 わたしは、この七つの基本条件を比較検討することによって、勝敗の見通しをつけるのである。」


 戦史法学徒が孫子の教えを応用し、帝国議会によって可決された大日本帝国陸軍刑法と国会によって可決された自衛隊法を比較検証してみると、我が国の国防法体系の悲惨な現実が浮き彫りになる。日本有事の際には自衛隊は必ず内部崩壊し、我が国は必ず敗北する。

<陸軍刑法>

第一章 叛乱ノ罪
第二十五条 党ヲ結ヒ兵器ヲ執リ反乱ヲ為シタル者ハ左ノ区別ニ従テ処断ス
 一 首魁ハ死刑ニ処ス
 二 謀議ニ参与シ又ハ群衆ノ指揮ヲ為シタル者ハ死刑、無期若ハ五年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ処シ其ノ他諸般ノ職務ニ従事シタル者ハ三年以上ノ有期ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス
 三 附和随行シタル者ハ五年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス

第二章 擅権ノ罪
第三十五条 司令官外国ニ対シ故ナク戦闘ヲ開始シタルトキハ死刑ニ処ス
第三十六条 司令官休戦又ハ媾和ノ告知ヲ受ケタル後故ナク戦闘ヲ為シタルトキハ死刑ニ処ス
第三十七条 司令官権外ノ事ニ於テ已ムコトヲ得サル理由ナクシテ擅ニ軍隊ヲ進退シタルトキハ死刑又ハ無期若ハ七年以上ノ禁錮ニ処ス
第三十八条 命令ヲ待タス故ナク戦闘ヲ為シタル者ハ死刑又ハ無期若ハ七年以上ノ禁錮ニ処ス

第三章 辱職ノ罪
第四十条 司令官其ノ尽スヘキ所ヲ尽サスシテ敵ニ降リ又ハ要塞ヲ敵ニ委シタルトキハ死刑ニ処ス
第四十一条 司令官野戦ノ時ニ在リテ隊兵ヲ率ヰ敵ニ降リタルトキハ其ノ尽スヘキ所ヲ尽シタル場合ト雖六月以下ノ禁錮ニ処ス
第四十二条 司令官敵前ニ於テ其ノ尽スヘキ所ヲ尽サスシテ隊兵ヲ率ヰ逃避シタルトキハ死刑ニ処ス
第四十三条 司令官軍隊ヲ率ヰ故ナク守地若ハ配置ノ地ニ就カス又ハ其ノ地ヲ離レタルトキハ左ノ区別ニ従テ処断ス
 一 敵前ナルトキハ死刑ニ処ス
 二 戦時、軍中又ハ戒厳地境ナルトキハ五年以上ノ有期禁錮ニ処ス
 三 其ノ他ノ場合ナルトキハ三年以下ノ禁錮ニ処ス

第四章 抗命ノ罪
第五十七条 上官ノ命令ニ反抗シ又ハ之ニ服従セサル者ハ左ノ区別ニ従テ処断ス
 一 敵前ナルトキハ死刑又ハ無期若ハ十年以上ノ禁錮ニ処ス
 二 軍中又ハ戒厳地境ナルトキハ一年以上十年以下ノ禁錮ニ処ス
 三 其ノ他ノ場合ナルトキハ五年以下ノ禁錮ニ処ス
第五十八条 党与シテ前条ノ罪ヲ犯シタル者ハ左ノ区別ニ従テ処断ス
 一 敵前ナルトキハ首魁ハ死刑ニ処シ其ノ他ノ者ハ死刑又ハ無期禁錮ニ処ス
 二 軍中又ハ戒厳地境ナルトキハ首魁ハ無期又ハ七年以上ノ禁錮ニ処シ其ノ他ノ者ハ一年以上ノ有期禁錮ニ処ス
 三 其ノ他ノ場合ナルトキハ首魁ハ三年以上ノ有期禁錮ニ処シ其ノ他ノ者ハ七年以下ノ禁錮ニ処ス

第七章 逃亡ノ罪
第七十五条 故ナク職役ヲ離レ又ハ職役ニ就カサル者ハ左ノ区別ニ従テ処断ス
 一 敵前ナルトキハ死刑、無期若ハ五年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス
 二 戦時、軍中又ハ戒厳地境ニ在リテ三日ヲ過キタルトキハ六月以上七年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス
 三 其ノ他ノ場合ニ於テ六日ヲ過キタルトキハ五年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス

<自衛隊法>

第百十九条  次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は禁錮に処する

七  上官の職務上の命令に対し多数共同して反抗した者
八  正当な権限がなくて又は上官の職務上の命令に違反して自衛隊の部隊を指揮した者

第百二十条  第七十八条第一項又は第八十一条第二項に規定する治安出動命令を受けた者で、次の各号の一に該当するものは、五年以下の懲役又は禁こに処する。

三  上官の職務上の命令に対し多数共同して反抗した者
四  正当な権限がなくて又は上官の職務上の命令に違反して自衛隊の部隊を指揮した者

第百二十三条  第七十六条第一項の規定による防衛出動命令を受けた者で、次の各号の一に該当するものは、七年以下の懲役又は禁こに処する。

二  正当な理由がなくて職務の場所を離れ三日を過ぎた者又は職務の場所につくように命ぜられた日から正当な理由がなくて三日を過ぎてなお職務の場所につかない者
三  上官の職務上の命令に反抗し、又はこれに服従しない者
四  正当な権限がなくて又は上官の職務上の命令に違反して自衛隊の部隊を指揮した者
五  警戒勤務中、正当な理由がなくて勤務の場所を離れ、又は睡眠し、若しくはめいていして職務を怠つた者


 自衛隊法の罰則には死刑がない。防衛出動発令後、自衛隊の指揮官が正当な権限がなくて又は上官の職務上の命令に違反して部隊を指揮しても、自衛官が敵前逃亡しても、長期にわたる三審の末に、七年以下の懲役刑又は禁固刑に服すのみである。

 国会議員は軍部暴走史観を信じこみ、バカの一つ覚えの様にシビリアンコントロールを叫びながら、陸軍刑法とは比べ物にならないほど異様に甘い自衛隊法の罰則規定を放置して、これを強化しない。

 軍事組織の精強はまず軍紀の厳正より生じるから、自衛隊法の厳罰化は自衛隊の精強を高め、有事の際に自衛隊が内部崩壊する可能性を下げる。自衛隊法の厳罰化は、憲法に自衛隊の存在を明記するマッカーサー占領軍憲法(GHQ製日本国憲法)第9条改正より容易で即効性のある国防強化政策である。だから日本国の軍事的弱体化を希求する反日左翼野党が自衛隊法の厳罰化を行わないのは当然であるが、自衛隊の国防軍化を主張する議員を抱える自民党ですら、それを行わない。

 現自衛隊法の厳罰化を伴わない自衛隊装備の強化や自衛隊任務の拡大こそ国防上の危険でシビリアンコントロールの不全そのものなのに、小西はそれを省みずにただ休暇中の自衛隊員に自分が罵倒されただけで、シビリアンコントロールの脆弱化やクーデターの危機を訴える。まさに厚顔無恥と無知蒙昧の極みである。他の与野党議員も小西と大差ない。

 残念ながら現在の我が国では、シビリアンコントロールを行わなければならない国会議員がシビリアンコントロールを行うための意志と能力と見識を喪失している。まさに国会議員の喚くシビリアンコントロールはまさにバカの一つ覚えになっているのである

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おぞましき朝鮮半島の土地所有史-日本の歴史教科書を蝕む土地収奪神話の起源と原型

  日本国の歴史教科書を蝕む韓国の反日フィクション(作り話、虚構)の一つに、農地については日本統治時代朝鮮総督府が土地調査を口実に40%の農地を強奪し、日本からの移民に安くわけあたえ日本人地主を大量に誕生させたという土地収奪神話がある。

 この説は比較的新しく1950年代に生まれた。最初に主張したのは李在茂で農民が所有観念が希薄で申告という手続に不慣れなことにつけこみ、総督府は期限を設けることで大量の無届地が出るようにしむけ、その無届地を国有地にして日本人や東拓に廉価で払い下げたとするものだ。この説は1962年に一部の中学用国史教科書に採用されたが、1974年に教科書が検定から国定になった際すべての教科書に載るようになり40%収奪説が定説化してしまった。

 それに輪をかけたのが歴史小説である。1994年から刊行のはじまった趙廷来の『アリラン』シリーズは土地調査事業の時代を舞台にしており、朝鮮人買弁が日本人巡査と結託して愚かな農民から土地を奪い、抵抗する農民を日本人巡査が即決で銃殺するストーリーだった。

 教科書に載るほどの説なのに学術書が出たのは1982年の慎鏞廈『朝鮮土地調査事業研究』が最初だった。慎氏は「片手にピストルを、もう片手には測量器を抱えて」という扇情的な表現で土地調査事業を批判したが、とりあげられた事例は1918年出版の土地調査事業の報告書からとったもので、紛争当事者の主張を中立的に紹介した原本を、ことごとく国有地と判定されたかのようにねじまげて紹介していた。

 しかし同書の出版に前後して土地調査事業の文書が大量に発見され、実証的な研究がはじまった。李榮薫氏はこの研究を主導した人でその成果を『大韓民国の物語』 で次のように要約している(以上は書評空間:紀伊國屋書店から引用 )。

 結論的にいえば、総督府は国有地をめぐる紛争の審査においては公正であり、さらには、既存の国有地であっても民有である根拠がある程度証明されれば、これを民有地に転換するという判定を下すのに吝かではありませんでした。そのような紛争を経たのち、残った国有地は全国の四千八百四万町歩の土地の中で十二・七万町歩に過ぎませんでした。それすら大部分は一九二四年までは日本の移民に対してではなく、朝鮮人の古くからの小作農に有利な条件で払い下げられていました。

 李榮薫の実証研究は、朝鮮総督府が実施した土地調査事業の実務者と責任者の談話の正しさを証明した。福沢諭吉の朝鮮地獄論に続いて、明治の日本人によって語られた朝鮮半島土地調査事業の目的と成果および李氏朝鮮の虐政とが、21世紀に生きる韓国人によって追認されたのである

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阿片専売制度-日満両帝国が実施したアヘン断禁主義に基く中毒患者漸減方策(アヘン漸禁政策)

 東京裁判の冒頭陳述において清瀬一郎弁護人は次のように弁明した(東京裁判 日本の弁明109ページ)。
 
 「検察官は、被告は経済侵略について責を負うべきものといたしております。弁護団は中国において何ら経済侵略はなかったことを証明するものでありましょう。さらにまたいずれにするもの、経済的の侵略はそれ自体犯罪ではありませぬと主張いたします。
 麻薬に関する検事の主張につき上申いたします。検事の主張は、日本は一方において麻薬を中国に販売することによって中国人の戦意を挫き、他方においては、これによって戦費を得たというのであります。
 裁判所の注意を願いたきことは、わが国はかつて台湾においてアヘン吸飲者を漸減した特殊の経験を持っていることであります。
 台湾においてーその日本の統治下にあった時代には、アヘン専売及び統制を布きまして、これによってアヘンの取り引きを禁じ、漸次アヘン患者の数を減少させました。
 中国では主としてその西洋との交通の結果、アヘンの吸飲は古くかつ広く行われた慣習でありますが、日本はできうる限り今申し上げた経験を中国に利用したのであります
。」


 以上の清瀬の弁明は決して虚偽ではない。

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連合国の犯したポツダム宣言違反-占領軍憲法第9条の精神は日本人への虐めと嬲り 

 昭和天皇は、サンフランシスコ講和条約の発効の日を迎えて、次の御製を詠まれた。

 風さゆるみ冬は過ぎてまちまちし八重桜咲く春となりけり

 国の春と今こそはなれ霜こほる冬にたへこし民のちからに

 昭和天皇は、連合軍が日本国を軍事占領していた期間を冬の時代と認識されていたのである。

 荒木貞夫被告の弁護人を務めた菅原裕は、1945年9月2日に連合国と日本国を拘束する休戦条約となったポツダム宣言から発生する双方の権利と義務を挙げ、連合国が犯した数々の違法行為を批判した。

【連合国の犯したポツダム休戦条約違反行為】

日本国の義務(連合国側の権利)

1、「日本国国民を欺瞞し誤導して世界征服の挙に出でしめたる者の権力及び勢力は永久に除去せられざるべからず」(第6項)

 本項は各個人について具体的にいうものであることは明らかであるから一般的、包括的に指定した追放処分の如きは本坑の趣旨を逸脱した、権利の濫用ともいうべき不法な行為であったことはいうまでもない。

2、「連合国の追つて指定すべき日本国領域内の諸地点は、吾等がここに指示する根本的目的の達成を確保する為占領せらるべし」(第7項)

 本項が諸地点と明記せるにかかわらず、連合国軍は、日本の全領域を占領した。これは明らかに本条違反であった。

3、「カイロ宣言の条項は履行せらるべし」(第8項)

4、「日本国の主権は、本州、北海道、九州及び四国並びに吾等の決定する諸小島に局限せらるべし」(第8項)

 本項はカイロ宣言ならびにヤルタ協定の実施として日本より台湾、樺太、千島を剥奪したものであるが、日本が本来領有し、もしくは堂々たる講和条約によって取得しすでに数十年にわたり国際的に公認せられているこれらの島嶼を一方的宣言や秘密協定によって奪い去ることは明らかに国際法の蹂躙であり、かくの如く戦勝国が無制限に過去にさかのぼっていっさいの公認されている現実を否認するとすれば、いずれの時にか国際秩序の安定があり得るであろうか。

 またこれは一九四一年八月英米が宣言した、大西洋憲章第二項の「関係国民の自由に表明せる希望と一致せざる、領土的変更の行なわることを欲せず」に違反するものである。

5、「日本国軍隊は完全に武装を解除せらる」(第9項)

6、「吾等の俘虜を虐待せる者を含む一切の戦争犯罪人に対しては厳格なる裁判が行わるべし」(第10項)

 本項に関しては東京裁判において二つの点で問題になった。一つはいわゆる「平和に対する犯罪」なるものはポ宣言発表当時国際法上、戦争犯罪の概念の中に入っていたかどうかということで、他のチャーター「極東国際軍事裁判所条例」の内容その他東京裁判のやり方は「厳格なる裁判」であるかどうかということであった。

7、「日本国政府は日本国国民の間に於ける民主主義的傾向の復活強化に対する一切の障碍を除去すべし」(第10項)

 ポツダム宣言受諾に際し日本政府の天皇制に関する釈明要求に対し8月11日の国務長官の解答には明らかに天皇制ならびにその権限の存続(唯一の例外は降伏条項実施の最高司令官の権力下の服すこと)は承認されている。

 したがってここにいわゆる「民主主義的傾向」は従来存在しかつ認められてきたところの天皇制の下における民主的傾向―民衆主義的傾向さらに具体的には帝国憲法所定の立憲政治議会政治を指すことは明らかである。

 ゆえに「主権在民」の日本国憲法を強要制定せしめたことは、本条項を逸脱し日本国民をして義務なき事を行わしめたというべきである。

8、「日本国をして戦争の為再軍備をなすことを可能ならしむる虞ある如き産業は許されず」(第11項)

9、「日本国政府は直ちに全日本国軍隊の無条件降伏を宣言し」(第13項)

 無条件降伏はカイロ宣言には日本国とあったが、本項によって日本国軍隊に変更されたことはまことに明瞭である。

10、「右の行動に於ける同政府の誠意に付き適当且つ充分なる保証を提供せんことを同政府に対し要求す」(第11項)


日本国の権利(連合国の義務)

1、「カイロ宣言の条項が履行せらるる」

 第8項の結果、同宣言中の「右連合国は自分のために、なんらの利得をも欲求するものに非ず。また領土拡張のなんらの念をも有するものに非ず」の個所は日本の利益のために援用し得るものである。

 ゆえにベルサイユ条約による第一次世界戦争以後日本が取得したる島嶼や、台湾、澎湖島は盗取したのではなく、正当なる日清講和条約により取得したものなることが判明したならば、この後段の剥奪措置が適当であるかどうかの再検討や原状回復措置も後日に残ることになる。いわんやヤルタ秘密協定による千島、樺太の奪取の如きは明らかに本条項と抵触するもので当然無視さるべきものと信ずる。

2、「日本国軍隊は完全に武装を解除せられたる後、各自の家庭に復帰し平和的且つ生産的なる生活を営むの機会を得しめらるべし」(第九項)

 ソ連領内に移送された日本軍人及び一般人の総数は57万5千人に及んでいる。かくのごときはたんにソ連一国の不信はいうまでもなく、連合国全体の本条約違反というべきである。

3、「吾等は日本人を民族として奴隷化せんとし、又は国民として滅亡せしめんとするの意図を有するものに非ず」(第10項)

 占領統治の苛酷は本条項違反たるものが多かったが、占領憲法の強要の如きはその最たるものであった。当時わが政府も国会も一片の抗議さえ出し得ないほど奴隷化されていた。

4、「言論、宗教及び思想の自由並びに基本的人権の尊重は確立せらるべし」(第10項)

 各般の占領政策は完全に本項に違反したことは他言を要しない(荒木貞夫被告の弁護人を務めた菅原裕の指摘)。

 連合国の執行機関として日本国を占領した連合軍は、何ゆえ以上のごとき違法行為を重ねることができたのか。それは他でもない、我が国はすでに非武装化しており、占領軍に反撃する戦力と方策を喪失していたからである。

 我が国はポツダム宣言第5項「吾等の条件は、左の如し。吾等は、右条件より離脱することなかるべし。右に代る条件存在せず。吾等は、遅延を認むるを得ず」を信じて宣言を受諾し、連合軍の日本占領を受け入れ、「全日本国軍隊の無条件降伏を宣言し」(第13項)を実行して非武装国になったのである。

 我が国はマッカーサー占領軍憲法(GHQ製日本国憲法)の施行前に、それこそ占領軍憲法前文のいう「平和を愛する諸国民(連合国のこと)の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意」し、陸海空軍その他の戦力および武力による威嚇又は武力の行使を放棄したのである。

 結果は、菅原裕が指摘したように、無残なものであった。

 そして我が国を騙した連合国の占領軍は、昭和天皇と一般国民を人質に取り、天皇の処罰と立憲君主制の廃止と三度目の原爆投下をちらつかせて日本政府に占領憲法草案の受諾を強要し、その草案の中で、日本国民に「平和を愛する諸国民(連合国)の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意」することを命じ、「武力による威嚇又は武力の行使の放棄」と「陸海空軍その他の戦力の不保持」を命じてきたのである。

 まさに占領軍憲法の前文と第9条とは、マッカーサーら占領軍が、非武装化した日本国と丸腰になった日本人を徹底的に侮り舐め、嬲り虐め抜いていた証拠以外の何物でもない。

 そして共産中国と南北朝鮮、そして彼らに大和魂を売った反日的日本人は、かつての占領軍のように、非武装化した日本国および日本人を徹底的に虐め嬲り、そして滅亡に追い込みたいから、反日精神の権化である占領軍憲法第9条の護持を叫び、第9条を崇拝するのである。

 筆者が思うに、これから反・反日の日本人が占領軍憲法の前文と第9条の無用有害を説く際は、チベットの惨劇のみならず、大日本帝国の悲劇と、平和を愛する諸国民(連合国)の不正と背信を挙げなければならない。

 かつて満州人は、中華民国と清帝退位協定を締結し武装を放棄した後、中華民国によって清帝退位協定を蹂躙された。

 かつて日本人は、連合国とポツダム条約を締結し武装を放棄した後、連合国によってポツダム条約を蹂躙された。

 そしてチベット人は、中華人民共和国と17ヵ条協定(1951年5月23日、中央人民政府とチベット地方政府のチベット平和解放に関する協約)を締結しチベット人のための独立主権国家と武装を放棄した後、中華人民共和国によって17ヵ条協定を蹂躙されている。

 これら過去の事実が我々に教えてくれることは、国際法が無意味な存在であることではなく、国際法秩序の維持には強制力-軍事力が必要不可欠であるということである。

 我が国が国際紛争を国際法に則り平和的に解決するためには、紛争相手国の武力行使を抑止する軍事力、国際法を犯す相手国や平和的解決を拒む相手国に対して軍事制裁を行う力と意思が必要不可欠なのである。

 日本国の周辺諸国は、抑止力を持たない非武装国や違法行為に対して軍事制裁を発動できない軍事小国に対しても、国際法を誠実に遵守するほど公正で真面目ではない。

 むしろ「水に落ちた犬は打て!」とばかりに襲い掛かってくる国ばかりではないか。日本人が本当に過去を直視しているならば、そのことを誰よりも熟知していなければ、おかしいのである。

 「個人間の社会においても、また国際社会においても、法がある所には違法者があるのは、人間によって構成される社会に免れ難い現象である。

 従って法を維持する為には、法に違反する者に対して其の行為を改むることを強制し、又は其の行為より生じたる結果に対して償いを為す事を強制する手段が存せねばならぬ。

 かかる強制手段の存在の必要は、何れの社会においても共通であるが、其の行使の態様は社会組織の発達の程度、更に詳しくいえば、社会内部における法の制定および執行に関する分業組織の発達の程度によって異なるものであって、原始的なる社会、即ち法に関する右の分業組織の発達せざる社会においては、違法者に対する強制は、社会が其の為に特に設けたる機関の手によって為さるるよりは、社会の組成員たる各個人、例えば被害者自身または其の近親の手に委ねられること多く、これに反して近代国家に在っては、国内に生じたる違法行為の弾圧、違法者に対する制裁は、国家が其の為に設けたる機関によって為さるるを原則とする。

 従って強制は団体の構成員たる個人の手を離れて団体の名によって団体自身の行為として為されるるのである。しかし現在この制度を採用する文明国家といえども其の法律生活の歴史を遡る時は、公権力の組織未だ不完全にして、個人に広範囲の自力救済の権能を付与していた時代がある。

 又これらの諸国は現在においても、個人が国家の手をからずして違法者に向かって直接に強制手段行使することを、限られた若干の場合に認めている。

 例えば正当防衛および留置権の制度の如きがこれである。

 国際法によって規律せらるる社会は、その現在の発達の段階においては、法の制定・執行および強制に関しては個人間の社会がかつて経験せると同一の状態にあるものであって、国際社会はこの社会の法に違反する国家の生ずる時これに向かって社会の名において制裁を加うる公権力を未だ具備しない(中略)。

 故に国際社会は大戦後も大戦前と同様に、国際社会の機関が社会の名においてする制裁または組織化せられたる共同制裁の制度を有せず、従って国際慣習法および条約の違反に対する強制は、社会の組成員が各個に違法者に向かって為す自力救済の方法によってのみ為される。

 国際法上の自力救済は、或る国家の国際法違反に対して、被害者たる国家が同種類又は同程度の行為をもって、これに報いる方法(復仇または報償)によっても為されることがあるが、かくの如き微温的なる手段が被害国の権利を救済する効果を挙げ得ざる場合に、違法国の国際法上の権利の全面的侵害をもってする強制的手段を国際法は認める。これを戦争という。

 第一次大戦前のドイツその他の国際法学者にして、戦争は自然法則の一なるが故に神意に適し、従って善であり、人類に幸福をもたらし、正しき文化の理想に合するものであると説き、戦争が科学の進歩を促し、勇気・服従および犠牲的精神等の美徳を養い、芸術の発達、文明の伝播を援けることを挙げて、その証明とした者がある。

 しかし戦争がもたらす多くの人命および物資の喪失、先人の建設せる文化の跡の破壊が、右の如き若干の利益によって償われるか否かは疑問である。

 しかし戦争の存在は、法の維持のために自力救済に頼る外なき国際社会の現状によって法理的には正当化せられる。

 もちろん自力救済は、法の維持のための手段としては完全なるものではないが、個人間の私闘の廃止が、個人間の紛争を解決する社会の公権力が完備して、これが個人に代わって、まさに違法者に向かって力を行使する制度の下においてのみ可能である様に、国際社会が違法者に対して社会の名において強制を加うる権限と事実上の武力とを具うる機関を具備するまでに発達せざる限り、戦争は一の避け難き人類の不幸として承認せられねばならぬ。」(田岡良一著戦時国際法1938年)

 今日の連合国(国連)機構も、以上の考え方に沿い、連合国憲章第7章に軍事制裁の規定を設け、加盟国に有事即応の空軍派遣団の保持を義務付け(憲章第45条)、かつ連合国の軍事制裁機能が安保理常任理事国の拒否権によって麻痺させられてしまう極めて不完全なものであるが故に、連合国憲章第51条は個別的集団的自衛権を加盟国固有の権利と規定している。

 連合国憲章は、個別的自衛権に基づく戦争、集団的自衛権に基づく戦争、連合国自身が行う戦争、敵国条項に基づく戦争を認めており、国際社会は戦争のルールとして戦時国際法を整備している。それにもかかわらず多くの日本人が依然としてマッカーサー占領軍憲法第9条の改正に否定的な態度を示し、戦争と軍事を盲目的に否定する。

 まぬけなことに現代の多くの日本人は、過去の日本人を欺いた連合国という国際軍事機構を溺愛しているくせに、連合国憲章を無視して第9条を人類の理想などと妄想し、これを吹聴するのだから、まさに異様である。彼らは狂人といっても過言ではないだろう。

 歴史学は、日常生活に役立つ実用的な学問ではない。理数系の学問と比較すれば、歴史学は学問といえるかどうかも怪しい。せいぜい趣味、娯楽、教養の類である。

 しかし歴史を知らない者は、憲法、軍事、外交、経済等々を理解できなくなっていくのだから歴史学の意義とは恐ろしい。

 我が国における学校教育の歴史公民教科書とマスコミの歴史報道が真赤な虚偽に塗れて久しく、「日本はポツダム宣言を受諾して連合国に無条件降伏し昭和20年8月15日に太平洋戦争は終結した」と信じて疑わない日本人が後を絶たない。

 彼らは日本国が連合国に騙されたことを知らず、彼ら自身が教師とマスコミに騙されていることに気づいていない。

 我が国は黒いスイスならぬ黒い日本となり、諸外国を徹底的に猜疑し厳重に警戒すべきなのに、日本が周辺諸国に騙された苦い過去を直視せず、スパイ防止法すら制定しようとしない。

 だから、支那人は福沢諭吉が脱亜論を発表した百年前と全く変わっていないのに、日本の政府や企業は、支那に友好を求め、支那人と契約を交わしては支那人に騙され、富を奪われる。

 我が国は既に周辺諸国によって領土と資源を奪われ、国民を拉致されているにもかかわらず、日本の有権者が日本独自の精強な軍事力を再建する強固な信念を持たないから、周辺諸国は不法に日本国の領土と資源と国民を略奪したまま、それらを日本国に返還しようとはしない。

 日本政府は不法行為を繰り返す周辺諸国の顔色を窺い、彼らの機嫌を損ねないために、ひたすら朝貢外交を重ねることしかできない。

 我が国が国防能力を欠く占領軍憲法を護り続ける限り、アメリカ軍に日本国を保護してもらう他になく、当然その代償としてアメリカ合衆国に基地と軍事費を提供し、アメリカ政府の要求を呑み続けなければならないが、占領軍憲法有効護憲派には、このことを理解する能力が無いらしい。だから彼らは反米を叫びながら護憲を訴える矛盾を犯し、恬として恥じない。

 バカは死ななきゃ治らないというが、これが日本国にも当てはまるとしたら、悲しい。

1941年12月9日の朝日新聞社説と朝日出身のソ連スパイ尾崎秀実の改造昭和十六年十一月号「大戦を最後まで戦い抜くために」

 所長が許し難い理不尽は、朝日新聞社が戦後世代の日本国民に対し真赤な虚偽の軍国主義史観をふりかざして「過去の誤ちを繰返してはならない」という「大東亜戦争の反省」を要求してくることである。

 昭和天皇の御希望に沿い日米和平交渉をまとめようと必死に努力した東條英機内閣に対米英開戦を迫った朝日新聞社(詳細は国民のための大東亜戦争正統抄史60~66東條内閣の和平努力)に、なぜ日本国民が反戦を説教されなければならないのか。
 今こそ戦後生まれの政治家と我々有権者は朝日新聞社に対して「お前らは死にたいのか」と問い詰めなければならない。

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龍井榮侍

Author:龍井榮侍
 東亜連盟戦史研究所は、主として大東亜戦争に関する国民の戦史知識水準の向上を目指して開設されました。

 弊研究所が確信する「正統戦史研究」とは、信用の置ける第一次史料を集め、史料に事実を語らせ、独自の史観を構成することです。だが第一次史料とて作成者の欺瞞、錯誤を含んでいるかも知れず、たとえ紛れもない真実を示していても、所詮それは膨大な歴史的事実のごく一部にすぎません。

 歴史の真実の探求は極めて困難であり、戦史研究において最も留意すべき事項は、間違いが判明すれば直ちに訂正することであり、最も禁忌すべき事項は、「自説保全による自己保身」に走ることです。よって弊研究所は、読者の皆様の建設的な礼節ある御意見、御批判、御叱正を歓迎します。
 
 所長の本拠地は森羅万象の歴史家ブログです。

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