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東京書籍のウソを暴く鈴木安蔵-明治の自由民権派を代表する交詢社系の憲法私案

 東京書籍中学校教科書(平成9~12年度版、採択率41.1%)に掲載されたコラム「新憲法の誕生」は次のように述べる。

 「GHQが政府に憲法の改正を命じると、各政党や民間でも多くの憲法草案がつくられました。そのうち、憲法研究会がつくった草案は、国民主権や基本的人権の尊重の考え方にもとづく画期的なものでした。この会には、憲法学者や自由民権運動の研究者がいて、一八八〇年代、大日本帝国憲法がつくられる前に民間でつくられた、さまざまな憲法草案を参考にし、その精神が受け継がれたからです。そしてその草案はGHQに提出されました。

 政府の憲法改正案は、大日本帝国憲法の字句修正にすぎなかったため、GHQは、国民主権・平和主義・基本的人権の尊重を三つの柱とする案を示しました。それは、形のうえでは日本政府に押し付けられたといえますが、内容の点では、明治時代の自由民権運動以来、国民が望んでいたものがようやく実現したといえるものでした。事実、日本国憲法制定後、国民の圧倒的多数はそれを支持してきました」


 我が国の左翼勢力が称揚する憲法研究会の中心人物にして自由民権運動の研究者であった鈴木安蔵は、「一八八〇年代、大日本帝国憲法がつくられる前に民間でつくられた、さまざまな憲法草案」のうち最も代表的な憲法草案を「憲法制定とロエスレル」(鈴木安蔵著/東洋経済新報社/1942年発行、99~135ページ)に掲載している。鈴木はそれについて次のように述べている。


明治十四年政変当時における民間の支配的憲法論-憲法草案

 我が憲法制定の根本方針は、(明治)十四年政変を機とせる岩倉具視の憲法意見提出によって決定されたのである。岩倉の憲法論の史的意義を理解するには、当時の我が国を支配せる憲法制定・国会開設論、憲法私案の性質を明らかにせねばならぬ。

 明治十三年から十四年にかけて、自由民権運動は全国を風靡し、全国到るところに国会開設請願運動が展開され、立憲政体樹立を要望する大小各種の政治結社が簇生(註、そくせい、簇の意味は「むらがる」)した。

 それらの運動、諸結社の主張するところはそれぞれ異同もあるが、現在の有司専制を廃して立憲政体を樹立する点で軌を同じうした。而してその最も代表的なる憲法意見は立志社ならびに同系の憲法論と交詢社ならびに同系のそれとである。特に交詢社的主張は最も広く普及し共鳴されていたように思われる(中略)。

 しからば交詢社系の憲法論は如何なるものであったか。今その典型的資料として「郵便報知新聞」紙上に明治十四年五月二十日以降六月四日に亙って掲載されし「私考憲法草案」を挙げ得る。代表的憲法草案としては交詢社の「私擬憲法案」を挙ぐべきであるが、この「私考憲法草案」は交詢社案と以下見るごとく多少表現の相違はあるが、その根本趣旨は同一であり、加うるに交詢社案になき条文註解があるので研究に便であるから、これを主として参照しよう。その主要箇条ならびに註解を見れば、略々この派の意見を知り得るだろう。


 交詢社は明治十二年九月二日、福沢諭吉、小幡篤次郎、小泉信吉、阿部泰蔵、江木高遠、荘田平五郎、矢野文雄、中上川彦次郎、藤田茂吉、箕浦勝人、九鬼隆一、門野幾之進、馬場辰猪その他三十一人が会合して設立したもので、彼らは慶応義塾の関係者である。「私擬憲法案」は「交詢雑誌」第四十五号(明治十四年四月二十五日)に発表された。郵便報知新聞の「私考憲法草案」の執筆者は藤田茂吉、箕浦勝人らと推定される。

 交詢社の「私擬憲法案」および郵便報知新聞の「私考憲法草案」の模範はイギリス憲法であるが、両案とも帝国憲法に似ている。とくに天皇の地位と権限に関する条項は帝国憲法に酷似している。いずれも「帝室は直接に万機に当たらずして万機を統べ給う者なり」という福沢諭吉の日本皇室論と同一であり(詳細はこちら)、「主権在民」を掲げていないのである。また皇位継承は古来よりの慣例-不文の大典に拠り、敢えてこれを憲法に掲げない趣旨を述べる「私考憲法草案」第一条註解は、伊藤博文の憲法義解第二条解説とほぼ同じである。

 両憲法案を読み終えた時の所長の感想は、「伊藤博文は交詢社系憲法試案を剽窃して帝国憲法原案を作ったのではないか」というものであった。

 よくよく考えてみれば、帝国憲法の模範がプロイセン邦憲法であるとの俗説が正しくとも、プロイセン邦憲法の模範はベルギー憲法であり、ベルギー憲法の源流はイギリス憲法である。そしてベルギー憲法はプロイセン邦憲法と同じく帝国憲法原案起草の参考資料となっていたから、帝国憲法がイギリス直系の交詢社憲法案に似るのは当然のことであった。

 明治13年から14年にかけて日本全国を風靡した自由民権運動を代表する交詢社系憲法案は帝国憲法によく似ており、「帝室は直接に万機に当たらずして万機を統べ給う者なり」という思想を成文化し、主権在民を規定していない以上、自由民権運動の憲法思想を受け継いだ憲法は大日本帝国憲法である。マッカーサー占領軍憲法(日本国憲法)は帝国憲法違反であるばかりか、明治の自由民権運動の憲法思想からも懸け離れているのである。

 従って日本国憲法が「内容の点では、明治時代の自由民権運動以来、国民が望んでいたものがようやく実現したといえるものでした」という東京書籍中学校教科書(平成9~12年度版、採択率41.1%)の記述は真っ赤なウソである。我が国の公教育は無数の生徒の脳裏にウソとデマを刻み込み、亡国のマッカーサー占領軍憲法を支持する有権者を生産しているのである。


郵便報知新聞社説(明治十四年五月二十一日~六月四日)私考憲法草案(カッコ内は交詢社の私擬憲法案)


第一章 皇帝の特権

第一條 皇帝は万機を主宰し宰相並に左右両院に依りて國を治む政務の責は一切宰相に帰す(第一條 天皇は宰相並に元老院國会院の立法両院に依て國を統治す) 

第一條註解 

皇統一系万世無窮天地と悠久なるは我日本建國の大本にして敢て臣下の議すべき所にあらず。また皇祚継承の事も皇太子もしく皇嫡女の践祚するは皇帝の特旨に由るといえども古来より慣例ありて皇嗣は自ら御男子と定まりしことなり。

これらは憲法の明文に掲げざるも臣子たるもの固より不文の大典を奉じ敢えて渝ることなきは亦天地と悠久なるべき筈なるをもって余輩の私考に拠れば、皇祚及皇嗣云々を憲法の明文に掲ぐるは故らに尊厳に触るる恐れなきにあらざるを以て敢てこれを記せず。

且つそれ憲法を定立するは即ち益々皇室の基礎を鞏固にし國家の安寧を保持するの主意に外ならざるを以て故らに皇祚皇嗣の箇條を明文に記せざるを是とす。これ余輩が巻首に皇帝陛下の特徴を記載し不文の大典すでに固定し千古に渉りて明々白々たる皇統皇嗣のことを書かざる所以なり。

近来英人が自國の憲法を記したる書冊中には往々帝室の瑣々たる事項を記しあれども、英國は憲法すでに定立せること久し故に、今日その國憲を記すものは唯現時に行わるる実事(ママ)を掲記するものなれば、我國のごとく未だ立憲の制あらざるにおいて其の参考案を立てるもの之を見て直ちに明文に掲ぐると否との区別を定むべからずを信ずるなり。

皇帝は万機を主催したまうといえども政務の責に任じたまわざる所以は、皇帝は神聖にして侵すべからざるものなるが故に総べて宰相の責任に帰するものなりとす(第二條天皇は聖神[ママ]にして侵すべからざるものとす政務の責は宰相之に当る)。


第二條 皇帝は左右両院に於て議決せる日本政府の歳出入租税國債諸般の法律を批准す(第三條 日本政府の歳出入租税國債及諸般の法律は元老院國会院に於て之を議決し天皇の批准を得て始めて法律の効あり)

第二條註解  

凡て治國に係わるの事は尽く皇帝陛下の行わせたまう所なるを以て両院において議決する所のものは皇帝陛下の批准を経るにあらざれば法律たるの効なきものとす。英國憲法の如き亦然り。


第三條 皇帝は行政並に司法の権を有し行政及び司法の官吏をして法律を遵奉して各其務に任ぜしむ(第四條 行政の権は天皇に属し行政官吏をして法律に遵い総て其事務を執行せしむ)(第五條 司法の権は天皇に属し裁判官をして法律に遵い凡て民事刑事の裁判を司らしむ) 


第四條 皇帝は諸般の法律を布告し陸海軍を統率し外國に対して条約を結び戦令を発し講和を為し官吏を命じ爵位を授け功労を賞し貨幣を鋳造し罪人を懲罰し罪犯を宥恕し左右両院を開閉し中止し左議員を命じ右院を解散するの権あり但し海関税を更改するの条約は予め之を左右両院の議に付す可し(第六條 天皇は法律を布告し海陸軍を統率し外國に対し宣戦講和を為し条約を結び官職爵位を授け勲功を賞し貨幣を鋳造し罪犯を宥恕し元老院國会院を開閉し中止し元老院議員を命じ国会院を解散するの特権を有す但し海関税を更改するの条約は予め之を元老院国会院の議に附すべし)

第四條註解  

本文に列記せる皇帝陛下に属すべき特権は治國の要領にして行為の権ことごとく皇帝陛下に属すといえども直ちに其の任に当りて其の事を執るものは皆皇帝陛下の臣民にして陛下に代わりて之を行うなり。而してそのこれを行う責は皆その臣民に存して而して臣民の行為は法律に準拠せざるべからざるをもって國民の幸福は自ら法律の下に安息するものなり然り。而して海関税の一事は固より各國の皇帝もしくは大統領と結約して施行する所のものなれば、其の係る所広く関する所のもの大なり、最も鄭重を要せざるべからず。これ皇帝陛下を補佐する者陛下に対し奉りて能く其の職を尽くし最も適宜の行為に出でんことを要するの意より先ず議院に附するの美蹟に了らんことを考うる所以なり。


第五條 皇帝の官費は毎年國庫より納む可し

第五條註解

そもそも我國の慣例國土人民を挙げて皇室に属したるものとするは神世の古より然りとする所にして皇室の費用は宜しく國民これを負担し租税中より納めるべからず。而してそのこれを納むるや充分に皇帝陛下の尊厳を保し皇家万般の所弁に余りある額ならざるべからず。英國のごとき方今女帝陛下の宮内費はおよそ百九十二万五千円にして、その内陛下の私費および宮内官吏の俸給並びに賞典養老銀等の区別あり。我国例固より彼と異なりもって準拠すべからずといえども臣子の情宮費は成るべく豊裕ならんことを希望するなり。


第六條 皇帝は内閣宰相を置き國政を信任すべし(第七條 天皇は内閣宰相を置き万機の政を信任すべし)

第六條註解
 
以上記述する所のものは自家一箇の考案と同志者の曾て(かつて)擬定せる憲法案とを参酌し旁(かたわ)ら現に英國に行われて良美と称せられ能く其の國基を固くするものに就き其の我國情に適すべしと認めたるを採りて之を刪定(せんてい)したるなり然り。而して余輩の考案よりも寧ろ同志者の考案に基きたるもの多し。蓋し同志者が我國憲について注目する所の大意も亦余輩とその帰を一にしたるに由るなり。余輩は右に掲ぐる所のものを以て皇帝陛下の特権に属すべくして而して皇基を張り国安を保し、以て国民の幸福を増進保全する所以のものなりと信ず。然れどもなおこの他に箇條を加えもしくは改刪して余輩の目的を達するに必要なるものあらば余輩自ら之を採択して更に考案を修正するの料に供せんと欲するなり。


第二章 内閣の組織

第七條 内閣は各省長官及び内閣顧問を以て之を組織す但左院若くは右院の議員に列さざるものは内閣宰相たるを得ず(第八條 内閣は各省長官内閣顧問を以て之を組成す)(第十三條 内閣宰相たるものは元老院議員もしくは國会議員に限るべし)

第七條註解

余輩この章において内閣の組織を草するにあたり殊に英國の典例に基き英政府の組織に倣える所以のものは、そもそも説あり、我国の情勢を察するに英國政府の組織を学ばざるべからざるものなり。

北米合衆國のごときは政権地方に重く中央政府の権力はなはだ微弱にして僅かに外國交際の間に其の権を保するに過ぎず。治國の事に至りては中央政府は幾んと有れども無きがごとしというも可ならん。蓋しその國全く他の邦國と離隔して欧州諸邦のごとく此彼相対峙し利害相関係するの事情あらざるを以て中央政府に権力を集るを要せず。故に米國は地方政府成りて而後、中央政府を生じたるの姿なれば、中央政府の組織も自らこの精神を帯うるがごとし。

英國は然らず、毎に欧州の形勢に接し東方論を始めとして他の邦國との間に存立せる関繋に対して活発なる政略を施行せざるべからず。これを以て政権は中央政府に重からざるを得ず。

今我國勢を観るに支那朝鮮はもちろん泰西諸邦に対してまた多事なりといわざるべからず。今後國運漸く進み國勢益々張らば地方に関するの利害いよいよ重大なるに至らん。これ行政者は必ず議員を兼帯して内閣を組織し其の運動の快活ならんことを要する所以なり。

そもそも内閣は一國の頭脳、政府の大本、政令の出る所、万機の発する所にして、皇帝陛下の信任によりて治國の事を司るものなれば、その組織を妙機を失わざらしむるを要するなり。

ウイツクス氏の英國憲法論中、内閣組織の源を記して曰く、およそ人業を営するに両手をもってするも、なお足らざるに至れば、更に他人をしてその業を補助せしめん。しかるにその業益々煩劇に及べば又さらに幾多の人を傭うて事に当たらしむべし。しかるにその業なお繁くその事益々増加して止まずんば、向きに自ら労働せる主人はすなわち許多の傭人を使役するに至り、遂に自ら労働すること無し。また一歩進むるにあたっては主人は更に己に代わりて許多の人を使役する者を択び生平細故小事に預からず、ただ事あるの時にあたりこれを指揮しこれに経験を示すに止まるのみ。

英國皇帝のごときも亦これに類す。古は國王親ら立法に関するのみならず専ら行政の権を握れりといえども、漸次政府の事務頻繁煩雑を加うるに随い國王の職務は次第に減少し、今に至りては國王は大臣の勤誘に非れば猥に施政上の事を行わざるに及べり。

而して審判行政の諸務皆ことごとく國王の代理宰臣等の管掌する所となる。内閣はこの代理者すなわち宰臣より成立し國王は総べてこれ等宰臣の輔弼誘導によらずんば敢えて政を施さざるなりとバジョウ(註、バジョット)氏また英國憲法を論じて言える事あり。女帝は憲法中尊厳部分の首領たり大宰相は憲法中活動部分の首領たり、皇帝は光栄の泉にして国庫は作業の源なりと。亦もって英國内閣の概略を知るに足れり。


第八條 内閣中一の首相を置き上裁を経たる諸般の法律並に政令は総て首相其名を署して公布す可し(第十條 内閣中首相一人を置き上裁を経たる諸法律並に政令は其名を署して之を布告すべし)


第九條 首相は衆庶の望に依り皇帝親しく之を撰任す他の宰相は首相の推薦に依て之を命ず(第十二條 首相は天皇衆庶の望に依て親しく之を撰任し其他の宰相は首相の推薦に依て之を命ずべし)

第九條注解

およそ宰臣立法両院の衆議を繋持するを得るときは認めてこれを衆庶に望みあるものとなすべし。蓋し政治上の自然の妙機により政党の樹立するに至らば党與中もっとも徳望あるもの衆人の推薦に由り自ら首相たるの地位を有するにより皇帝陛下因りて以てこれを命ずるに過ぎざるべし。

又他の宰相を命ずることを首相の推薦に任ずる所以は、内閣を組織して政事を行うは首相と意見を同じうし施政の進路を一にするもの相集まりて協同一致するにあらずんば、政務渋滞し政権分離し政治の機関自在の運転をなすことを能わず故に、首相と意見を一にし常に相輔けて國事を負担するものにあらずんば不可なりとす。

この推薦のごときも亦首相の私意に出るを得ず。何となれば宰相となる者は左院もしくは右院の議員にして其の未だ宰相の任にあらざるの時といえども立法両院の中にて地位および経験栄誉も自ら定まりしことなれば、首相これを推薦せざるの前といえども、某は内務、某は外務、某は大蔵と各其長官となるべき地位すでに備わりしものにして、首相は唯そのすでに備わりしものを実にするに過ぎざるなり。


第十條 内閣宰相は協同一致して内外の政務を行い連帯して其の責に任ず但し事一宰相の処置に出でて他の宰相に関ぜざるものは此の限りに非ず(第九條 内閣宰相は協同一致し内外の政務を行い連帯して其の責に任ずべし但し其の事一宰相の処置に出て他の宰相に関せざるものは此の限りに非ず)

第十條註解

およそ人、人の為に事を担当するときは其の人に対して其の事の責に任ぜざるべからず。もし其の事の完全を得ずして人の託する所の主意に背戻するが如きあれば、宜しくこれを譴責すべきなり。大臣宰相といえども亦然り。すでに行政事を負担する以上は其の責に任ずべきは勿論その職重く、その位高きものは責任も亦随て重大ならざるべからず。

即ち第七條に明記するがごとく凡そ宰相となる者は左院もしくは右院に列せざるものあらず。これ宰相自らその負担する所の事に付き或いは議院に弁明し或いは議院の援助を受けて施行せざるべからざるに由るといえども、宰相の其の任を完全せると然らざるとは宰相が議院において弁明する所の事にて分明なるをもって宰相の必ず議院に列するを要するは又その責任を明らかにするものなり。

英國の法に拠れば議院開会に及べば宰相必ず参列して國費を報道す。全國の代議士は宰相に質すにその行挙の成効何如を以てす。宰相即ち各長官は各その行挙について弁明す。然れども宰相中の一人に失惜ありて代議士の駁論を被るに至れば、その行挙は諸宰相皆連帯してその責に任ず。この時に当りてこの行為は皇帝に勧誘してこれを為さしめたるものと見做さず。即ち宰相を以て直ちにその責に任ずるものとなす。それこのごとく議院において争議を生ずることあれば、この議件を以て重要とするが故に他の議件を開き先ずこれを議論す。しかるに諸宰相はこれを弁明してその所論を悉くしたる後総議員の投票においてその可否を決す。もしこれを否とする者多数なるときは宰相は皆解職せざるを得ず。これ英國内閣の更迭由りて起る所以なり。余輩が本文において宰相連帯の責任と云える者はこの意を以て希望する所によるなり。


第十一條 内閣において決定せざる議事は首相之を決して上裁を仰ぐを得
(第十一條 内閣の議決定せざるときは首相之を決して上奏を仰ぐを得べし)

第十一條注解

この條首相に権を與うるに過ぎたるが如き姿なきにあらずといえども、総て内閣においては首相の責最も重きが故に首相にこの権を與うるも固よりこれを誤用することなし。且つ諸宰相は首相の推薦に出るを以て固より施政の大体において矛盾するの謂なし。ただその決定せざるごときは大体の事に関するものにあらざるを知るべし。故に首相にこの権を附與するを以て適当とするなり。


第十二條 政府の歳入出予算議案は必ず内閣より之を発して先ず之を右院の議に附す其の議決の後右院より移して左院の議に附すべし
(第十四條 政府の歳入出予算の議案は必ず内閣之を起草すべし)(第十五條 内閣より出す所の議案は先ず之を国会院の議に附し議決の後該院之を元老院に移して其議に附すべし)

第十二條注解

本條は第三章議院組織の説明中においてなお論述すべし。また議院の性質を掲明するときは自らこの條の憲法中に最も重要の事たるを知るべし。但し歳入出予算議案を以て殊に内閣より発するものとするは、前條において開陳したるがごとく内閣の責任と全く相接するものは即ち歳入出予算にして而して行政の大本はただこの一事にあるを以て、殊に内閣にてこれを起草するを要するものなりとす。


第十三條 内閣は毎年前年度の歳出入計算及其施行したる事務の綱目を左右両院に報告し又時々緊要なる内政外交の景況を両院に報告す可し(第十六條 内閣は毎年前年度の歳出入計算及其施行したる事務の要領を元老院國会院に報告し且時々緊要なる内政外交の景況を両院へ報告すべし)


第十四條 内閣の意見立法両院の衆議に適わざるときは或は内閣宰相其職を辞し若しくは皇帝の特権により右院を解散するものとす(第十七條 内閣の意見立法両院の衆議と相合せざるときは或は内閣宰相其職を辞し或は天皇の特権を以て國会院を解散するものとす)

第十四條註解 

本條は内閣の成立および更迭の本に関するものにして最も重大なる事件となす。然れどもこれ専ら英國の慣例の殊に衆邦に卓絶したる所以のものを採りて内閣の成立および更迭はこのごとくならんことを希望するに出でたるものなり。然れども、英國は全く慣例を以てこの美蹟を顕したるものなり。故に我國において憲法を立るに当りては先ずこの慣例を養成するを以て必要なりとす。


第三章 國会院の組織 

第十五條 國会院は政府の歳入出租税国債及諸般の法律を議決す(第十八条 元老院は國会院と共に政府の歳入出租税国債及諸般の法律を議決する所とす)


第十六條 國議院は左右両院より成立するものとす

第十六條註解 國会を二個に分つは英國において最も其の効用を顕したるものなり。啻に(註、ただに-単に)英國のみならず凡そ國会を設立せる國において一院をもって國会を組織するの不可なるを経験せざるはなし。

今日我國の國会論者中或は一院をもって國会を組成せんと欲するものなきにあらず。故に余輩はここに余輩が私考の見解を表出せざるを得ず。

古来欧米諸邦において國会は一院をもってすべしとの説をなす者は皆その根拠を威権を専一にすべしとの意に立てて、而して二院を置くは素(もとも)と爵位を尊重するの慣例に成れるものなりとして只管(ひたすら)これを駁撃するがごとし。

然れども仏蘭西(註、フランス)、西班牙(註、スペイン)、葡萄牙(註、ポルトガル)、涅普耳(?)のごとき國会を分たず唯一院を置きしも、其の結果は皆その希図する所に副わず、遂に其の制の行われざりしは実に國会を両院に分つの已む(やむ-止む)べからざるものを証するに足れり。

北米連邦建國の初めにあたり新たに英國の羈絆(註、きはん-束縛という意味)を離れて独立の精神勃々各州に振興し、偏に英政の弊害を厭うの余り英國の政体に倣うて両院を置くの非を唱え國会一院を主張する者尠からざりき(註、少なくなかった)。

フランクリンのごときも其の一人なりき。李拔氏(?)の著書中この事を詳記せり。フランクリンの説に若し車の前後に馬を繋ぎて東西にこれを引かんとせば車は動くべきの理なしとす。國会に二院を置くは即ち馬を車の前後に繋ぐに異ならずと。

李拔氏これを論じて曰く、車を推して坂より下さんとする時、後よりこれを控制(註、こうせい-手前に引いて押さえるという意味)するものあらずんば、その下行の勢い車を破砕するの禍あり。これ両院を分かつを要する所以なりと。

この説につき種々の理論なきにあらずといえども要するに二院を分かつは一権に偏重するを控制するに外ならず。米國なお且つ二院の制を要す。我國のごとき皇帝貴族庶民をもつて成立すべき國会において安んぞ二院をもって國会を組成せざるを得んや。


第四章 左院

第十七條 左院は特撰議員と公撰議員とを以て組織するものとす(第十九條 元老議員は特撰議員と公撰議員とより成立するものとす)

第十八條 特撰議員は皇族華族及び名望学識ある者の中より皇帝之れを親撰し過失あるにあらざれば終身其職に居るものとす但其人員は左院議員の過半数に上るを得ず(第二十條 特撰元老議員は皇族華族及嘗て重要な官に在りし者学識ある者)

第十九條 公撰議員は左院諸員撰挙区より各二人を撰挙し四年毎に改撰すべし(第二十一條 公撰元老議員は毎元老議員撰挙区より各二人を撰挙し四年毎に改選すべし)

第二十條 各府県の管轄地を以て左院議員一撰挙区と為し一区内右院議員撰挙権を有する者をして左院議員撰挙人二百名を撰挙せしめ此二百名の公選を以て左院議員各二名を撰挙すべし(第二十二條 各府県の管轄地を以て元老院一撰挙区と為し一区内、國会議員撰挙権を有する者をして元老議員撰挙人二百名を撰挙せしめ此二百名の公選を以て元老議員二名を撰挙すべし)

第二十一條 日本國に生れ年齢満三十五年以上の男子左に記載する者を除くの外凡そ何れの撰挙区を問わず其の被撰候補となり左院議員に撰挙せらるるを得べし但し府知事県令郡区吏及左院議員撰挙取扱人は其撰挙区内に被選候補たるを得ず
 
処刑中の者
嘗て重要〔罪?〕を犯し未だ政権を復せざる者及身代限の処分を受け未だ弁償の義務を終えざる者
白痴及風癲を病む者
日本国内に住居せざる者
判事及判事補

(第二十三條 日本國民に生れ年齢三十歳以上の男子は左に記載する者を除く外凡そ何れの撰挙区を問わず其被選候補となり元老議員に撰挙せらるるを得べし但し府知事県令郡区長及元老議員撰挙掛は其撰挙区内に被撰挙候補たるを得ず

処刑中の者
嘗て重罪を犯し未だ政権を復せざる者及身代限の処分を受け未だ弁償の義務を終えざる者
白痴及風癲を病む者
日本国内に住居せざる者
判事及判事補神官僧侶)

第二十二條 左院議員は特撰のものと雖も日本國に生れて日本國内に住居する者にして満二十五年以上のものに限るべし
(第二十四條 元老議員は特撰のものと雖も日本國に生れて日本國内に住居する者にして皇族は年齢満二十五年其他は満三十年以上のものに限るべし)

第二十三條 各省長次官内閣顧問侍従長諸寮長及罷役将官を除き其他の官吏にして特撰若くは公撰議員と為る者は其官を辞す可し又左院議員にして以上諸官を除き其他の官吏に任ぜられたる者は議員を辞す可し
(第二十五條 各省長次官内閣顧問侍従長諸寮長及罷職将官を除き其他の官吏にして特選若くは公撰元老議員と為る者は其官を辞す可し又元老議員にして以上諸官を除き其他の官吏に任ぜられたる者は議員を辞すべし)
(第二十六條 元老院議員たるものは其在職中國庫より毎年三千圓より少なからざる俸給を受くべし)

第二十四條 左院議員は犯罪の証跡あるに非ざれば左院会期中及其前後各三十日之を拘引するを得ず又其会議中の演説言論は自ら之を出版公布するに非ざれば該議院外に於て之を罪するを得ず
(第二十七條 元老議員は重軽罪を犯したるに非ざれば元老院の会期中及前後各三十日間之を拘引するを得ず又其の会議中の演説言論は自ら之を出版公布するに非ざれば該議院外に於て之を罪するを得ず)

第二十五條 左院は右院の弾劾に依て行政及司法官吏の國事犯及職務上の過失を審問し出席議員三分の二以上の同意に依て有罪と決すれば奏聞の上皇帝の命を以て其職を免ずべし但し有罪と決せられたる者は再び他の裁判所に於て法律に従い之を審問して刑罰に附するを得べし
(第二十八條 元老院は國会院の弾劾に依て行政及司法官吏の國事犯及職務上の過失を審問し出席議員三分の二以上の同意に依て有罪と決すれば奏聞の上天皇の命を以て其職を免ずべし但し有罪と決せられたる者は再び他の裁判所に於て法律に従い之を審問して刑罰を附するを得べし)

第二十六條 左院は詔勅を以て之を開閉す可し
(第二十九條 元老院は詔勅を以て國会院と同時に於て之を開閉すべし)

第二十七條 左院は四年毎に其の議長副議長を議員中より公撰し上奏の上皇帝之を命ず
(第三十條 元老院は四年毎に其議長副議長を議員より公撰し奏聞の上天皇を之を命ずべし)

第二十八條 議事の可否決は出席議員の過半数を以て定む可し但可否同数なるときは議長之を決すべし(第三十一條 凡そ事を議決するには出席議員の過半数に依る可し但可否数相同じときは議長之を決すべし)

第二十九條 左院は総議員過半数の同意を以て其議事規則を議定し上奏を経て之を施行す(第三十二條 元老院は其議員総数過半の同意を以て其の議事規則を議定し上奏を経て之を施行すべし)

第三十條 議事は傍聴を許すべしと雖も先ず其数を限り或は臨時に之を禁ずるを得べし(第三十四條 議事は総て傍聴を許すべしと雖も議事規則を以て其数を限り或は臨時に之を禁ずるを得べし)

第三十一條 左院は其議員の出席全員三分の一に満たざれば会議を開くを得ず(第三十五條 元老院は其議員出席全員五分の一に満たざれば会議を開くを得ず)

第三十二條 左院は其都合により休会を為すを得べしと雖も右院の承諾を得るに非ざれば十日以上の休会を為すを得ず(第三十六條 元老院は其の都合により休会を為すを得べしと雖も國会院の承諾を得るに非ざれば十日以上の休会を為すを得ず)

第三十三條 左院は其議事録を作りて之を印行すべし但し其印行すべからざると思考するものは此限に非ず(第三十七條 元老院は其議事録を作りて時々之を印行すべし但し其印行すべからずと思考するものは此の限に非ず)

第三十四條 左院議決の議案にして未だ右院の議決を経ざるもの及右院より移したる議案にして左院の修正を加えたるものは之を右院に移し同院議決の後ち両院議長より皇帝に上奏して裁可を仰ぐべし(第三十八條 本院議決の議案にして未だ國会院の議決を経ざるもの及國会院より移したる議案にして本院の修正を加えたるものは之を國会院に移し該院議決の後ち両院議長より天皇に奏聞して上裁を仰ぐべし)

第三十五條 左院は議員中議事規則に戻り又は議員に暴行の者あれば之を罰するを得若くは議員三分の二の同意にて其議員を放逐するを得べし(第三十三條 元老院は其議事規則中に相当の罰則を設けて議事規則を犯したる議員を罰するを得べし)

第四章左院註解

余輩は今左院の典例を草定し了れるを以て敢て一言をここに附せざるを得ず。そもそも余輩の私考草案において國会院は左右両院より成立するものとなし、左院は英國の上院すなわち貴族院に取り右院はすなわち其の庶民院に倣いしものにして其の典例も亦同國議院の制に準拠せり。これ余輩が故なく英國の法に心酔して之を模擬したるにあらざるなり。

我が建國の大体略ほ英國と同じく至尊は即ち皇室にして貴族の如き自ら人一般人民と利害を異にして亦その習慣を同じくせるの事情あり。即ち國会に貴族院を設けて庶民院と相対して皇室を翼戴し三権鼎立し能く治國の大本となるべきを希望するに外ならざるなり。

國会の典例は國会の中より産出せざるべからず。外より之を附着すべきにあらざるなり。國会各議員の権理を確定するの権利は立法府に属すべきは勿論その会に関する諸般の事務を管理し及び議事規則を設くるの事一切國令の権に附せざるべからず。この権利は國会の自家保護をなし又その効力を保全するに必要なるものなり。故に左院は左院の例則を左院において制定すべし。右院も亦若すべし。

李拔氏曰く、國会の典例は習慣法の一部にして國会に属する特権に比すれば其の関係極めて大なり。國会の事務に渋滞菜無からしむること又これをして急卒に失わせしめざること議事の秩序を整理せしむること偏頗のことなく公平に法を立てしむることは皆典例いかに在るのみ。國会に典例あるはなお河水淵深くして堤防亦堅固なるが如し。降雨多き時は横流氾濫を防ぎ旱魃の年といえども乾燥して水利を失うの憂なし云々と。

蓋し政治上の議論紛然として起り弁士互いに雄を争い三寸舌頭に一國の興敗を論破するの時に当り能く其の論議の秩序を規格して順に帰し正に反らしむるものはすなわち國会の典例に由らざるを得ず。英國議院の制他邦に超絶せる所以のものは全く其の典例にあり即ち其の典例を養成するの宜しきを得たるにあるのみ。決してその制法文章妙なるに非ざるなり。誠に英國において或は政治又は商工学事のために設立せる結社会同を見よ、その議事の裁体皆その國会に行わるる典例に薫陶せられて知らず識らず能くその会議の秩序を保全するに非ずや。蓋し亦典例の徒に文法理論を以て制定すべきものに非ざるを知るべし。

英國議院の典例は習慣法の一部をなしたる者なるを以て今日よりこれを見れば徒に儀式に拘泥するが如き状なきにあらず。例えば英國國会の通常会議にては上院の議長は仮髪を被り黒絹の礼套を着し「ウルヰツク」と名づけたる羊毛製の褥を施したる卓上に倚るを法とす。その原因は往昔英國において会議をなす時羊毛を製するは富國の本たるを衆人に知らしむる為この卓を用いたるより遂にこの式を成せりと云う。その他議員開閉の式においても奇異のことなきにあらずといえども、かくの如き習慣の存するは即ち能く英國今日の國会をして典例の宜しきを失わしめざる所以のものたるを知るべし。

又一方より見れば英國の議院は旧慣を失わずして而して其の実必ずしも旧慣に依らざるものあり。例えば下院の議長は議院にてこれを撰任し而後國帝の勅許を仰ぐ式は旧慣に依りてこれを行うといえども、もし内閣にて國帝に勧めて勅許を與うるを拒む時は内閣は必ず変更せざるを得ず。もし國帝強いてこれを拒絶するときは騒乱これに次ぐの憂なきにあらず。遂に英國の憲法に下院議長は下院において之を撰任すべしとの明文を記入するに至らん。然れども決してここに至らずして政機の滑らかに運転するは全く典例を養成するの宜しきに適いしに由るべし。
故に余輩は國論の典例において必ずしも文法の妙を求め必ずしも章句の間に拘々たらず。ただ願う所は今日我國に行わるる各種の議会(府県会元老院其他諸会同の議事)において衆を以て寡を制し偏頗公を害し又は議事渋滞不便を生ずるが如き弊害を去り順正公平なる習慣を其の間に養成し、以て他日我國会典例の元素を結成するにあるなり。次いで右院の組織および典例を記せんとするに当り先ず國会の成立に最も重要なりとする所を弁晰す。


第五章 右院(第四章国会院)

第三十六條 右院は左院と共に政府の歳出入租税國債及諸般の法律を議決する所とす(第三十九條「國会院は元老院と共に」以下同じ)

第三十七條 右院議員は全國人民中撰挙権を有する者の公撰する所にして四年間其職に在るものとす(第四十條「國会議員は」以下同じ)

第三十八條 右院議員の撰挙区は各州を以て一区若しくは数区に別ち人口八万人毎に一人の割を以て公撰するものとす但し八万人に満たさる端数四万人に満る分は同じく一人を公撰す四万人に満たざる分は之を除くべし但し一州を成すものにして人口二万に満る分は一人を公撰すべし(第四十一條「國会議員の」以下同じ)

第三十九條 人口二万人以上の都市は別に一選挙区となし一区二万人以上四万人以下は各一人を公選し四万人以上八万人以下各二人を公選し八万人以上は六万人を増す毎に各一人を公選すべし(第四十二條全文同じ)

第四十條 右院議員選挙人名調査の期限に其撰挙区内に於て郡村は地税五円以上納むべき土地を所有し若しくは價直金二百円以上の所有家屋に住居し人口三十以上の郡市は地租村二円以上を納むべき土地を所有し若しくは價直金二百円以上の所有家屋に住居し又は價直金四百円以上の家屋を既に十二ヶ月借住して其年齢二十一歳に達したる男子は左に記載する者を除き総て其の撰挙区内の撰挙人たるの権を有すべし

処刑中の者
嘗て重罪に処せられ未だ政権を復せられざるもの及身代限の処分を受け未だ弁償の義務を経ざる者
白痴及風癲を病む者
日本國内に住居せざる者
府知事県令及右院議員選挙掛
神官僧侶(第四十三條「國会議員」以下同じ)

第四十一條 日本國民に生れ年齢満二十五歳以上の男子は左に記載する者を除く外凡そ何れの撰挙区を問わず其被候補と為り右院議員に撰挙せらるるを得べし但し府知事県令郡区長及右院議員撰挙掛は其撰挙区内に被撰候補たるを得ず

処刑中の者
嘗て重要(罪?)を犯し未だ政権を復せられざるもの及身代限りの処分を受け未だ弁償の義務を終らざる者
白痴風癲を病む者
日本国内に住居せざる者
判事及判事補
神官僧侶(第四十四條「國会議員に撰挙せらるるを」以外皆同じ)

第四十二條 各省長次官内閣顧問侍従長及諸寮長を除き其他の官吏にして右院議員に当撰したる者は其官を辞すべし
又右院議員にして以上の諸官を除き其の他の官吏に任ぜられたる者は議員を辞すべし(第四十五條「國会議員に」「國会議員にして」以外皆同じ)

第四十三條 右院議員の中欠員あるときは其補欠議員を公撰すべし(第四十六條「國会議員の」以下同じ)

第四十四條 右院議員は其在職中國庫より毎年三千円より少からざる俸給を受くべし(第四十七條「國会議員は」以下同じ)

第四十五條 右院議員たる者は重軽罪を犯したるに非ざれば議院今期中及其前後三十日間之を拘引するを得ず又其会議中の演説言論は自から之を出版公布するに非ざれば同議院外に放ち之を罪するを得ず(第四十八條「國会議員たる者は」以下同じ)

第四十六條 右院は内閣宰相其他行政及司法官吏の國事犯及職務上の過失を弾劾することを得べし(第四十九條「國会院は」以下同じ)

第四十七條 総て租税に関する議案は本院に於て之を起草するを得又其議案は左院に於て之を修正することあるも本院之を再議し出席議員三分二以上の同意を以て之を決すれば其議決の左院修正と一致すると否とを問わず直ちに本院議長より上裁を仰ぐを得べし(第五十條 総て租税に関する議案は本院若くは内閣の他之を起草するを得ず又其議案は元老院に於て之を修正することあるも本院之を再議し出席議員三分二以上の同意を以て之を決すれば其決議の元老院修正と一致すると否とを問わず又直に本院議長より上裁を仰ぐを得べし)

第四十八條 右院は毎年一度の定期会を開く可し若急施を要するときは臨時会を開くことあるべし其開閉は皇帝の詔勅を以てすべし(第五十一條 國会院は毎年必ず一度の定期会を開き事若し急施を要するときは臨時会を開くことあるべし)

第四十九條 右院は第四條に依り之を解散することあるも解散の後九十日以内に其議員を改撰して会議を開く可し(第五十二條「國会院は第六條に依り」以下同じ)

第五十條 右院議員の議長副議長は議員中より公撰し上奏の上皇帝之を命ず(第五十三條 國会議員の議長副議長は議員中より公撰し奏聞の上天皇之を命ずるものとす)

第五十一條 凡そ事を議決するは出席議員の過半数に依り可否の数相同しきときは議長之を決すべし(第五十四條)

第五十二條 右院は其議員総数過半の同意を以て其議事規則を議定し上裁を経て之を施行すべし(第五十五條「國会院は」以下同じ)

第五十三條 右院議員中非法の選挙を受け議員となりたるものあれば本院審査して之を退くるを得べし(第五十七條「國会議員の中」以下同じ)

第五十四條 右院は其議員総数三分の二以上の同意を以て議員中罪を犯して其体面を辱しめたる者を退職せしむるを得べし(第五十八條「國会院は」以下同じ)

第五十五條 議事は総て傍聴を許すべしと雖も議事規則を以て其数を限り或は臨時に之を禁ずることを得べし(第五十九條)

第五十六條 右院は其議員出席全員五分の一以上に至らざれば会議を開くを得ず(第六十條「國会院は」以下同じ)

第五十七條 右院は其都合に依て休会を為すを得べしと雖ども左院の承諾を得るにあらざれば十日以上の休会を為すを得ず(第六十一條「國会院は」「元老院の」以外同じ)

第五十八條 右院は其議事録を作て時々之を印行すべし但其印行すべからずと思考するものは其限にあらず(第六十二條「國会院は」以下同じ)

第五十九條 本院議決の議案にて左院の議決を経ざるもの及び左院より移したる議案にして本院の修正を加えたるものは之を左院に移し同院議決の後両院議長より皇帝に奏聞して上裁を仰ぐべし(第六十三條「元老院」「該院議決の後」以外同じ)

第六十條 右院は議員中議事規則に背き又は議員に暴行のものあらば之を罰するを得若し総議員三分の二の同意あれば之を放逐するを得べし(第五十六條 國会院は其議事規則中に相当の罰則を設けて議事規則を犯したる議員を罰することを得べし)

第五章右院註解

以上掲記する所の條目中あるいは削除し若しくは修正し又はこれに添加すべき條款なきにあらざるべし。しかれども余輩が國会組織の主旨國会議員の定格及び國会事務の処弁における大体の意見はこの條目中に存するを知るべし。

そもそも右院組織の條項について第一に世論の喧しきは、議員撰挙の事項に外ならざるべし。これ今日論者の意見種々に分かるる所にして余輩の草案を読む者あるいは撰挙権の区域なお狭きを怪しむものあるべし。またあるいは其の権の余りに広きを疑うものあるべし。

要するに各自の意見は必ずしも余輩の意見に適することあらざるべし。また議員の員数についても或いは人口十万人について一名を挙ぐるを可とするものあり。蓋し我国三千五百万の人口に付き毎十万に一名を出だすとせば三百五十人に過ぎず。其の過半数は即ち百七十六名なり。もし百七十六名の代議士を以て一國の大政を議決する者とせば、蓋しその人員過少なるの憾なきにあらず。かつ議員少きに過ぐるは偏頗に流るるの弊を生ずるなきにあらず。故に余輩毎八万について一人と定め又人口二万人以上の都市については別にその制限を設けて議員の総数を五六百人の間に置くの必要なるを信ずるなり。

第二に世論の喧しきは、議員撰挙人の権限にあるべし。然れども余輩が設けんとするものは余挙(輩)が恰好適宜の点なりとして定めたる所なり。若し普通選挙を不可として苟くも其の制限を定めんと欲せば財産によって制限を設くるは蓋し已むべからざることなり。

世の論者ややもすれば此の制限を認めて貧富により政権を左右するの法なりとして之を不可とする者ありといえども決して然らず。貧富とは相関係するの名にして如何程の財産を所有するものを以て富人と定め、如何なる事情ある者を以て貧人と見做すべきか其の限界は容易に知り得べきことにあらず。故に財産を以て制限を定むるは貧富のために権利を左右するの主旨にあらず。選挙権を有するものの性格を重んずるより唯その財産について標準を定め以て其の制限を置くに過ぎざるなり。また従来我國人が土地のみを以て財産とするより地租に因て政権を設くるが如きは其の当を得たるものにあらず。故に余輩は地税と家屋を併せて財産となし又家屋借住の者といえども其の生計の度梢々高きものは財産あるの部分に入れ選挙権を有すべきものなりとせり。

第三に世論喧しきは、各省長次官以下諸長官の議員たるを許すの制なり。これ我邦人が常に官吏を以て國民の外に一種類をなすものなりとし、國会を以て官府と競争すべしとの念頭に生ずるの言論にして、國会は宜しく純粋なる人民より成立せしむべしとの意に外ならず。今日梢々高尚の論を唱うるものといえども、この説をなすものあり。これ國会を組織するの要旨を知らざるものなり。國会事務の執行に注意せざるものなり。英國この制によって行い、余輩その良制度なるを証示せり。宜しく準拠すべきなり。其の他の條項は皆國会事務に必要なりとするより掲記せるものなり。これに説明せざるも固より読者の解了する所なるを信ずるなり。但し其のもっともの要旨は本館かつて刊行せる國会論より出でくるものなれば之を参観せば余輩が右院組織の主旨は必ずしも今日の考案にあらざるを知るべし。


第六章 裁判の執行(第五章 裁判)

第六十一條 裁判は総て法律によりて定まれる裁判所に於て裁判官法律に遵い之れを司る可し特別の裁判を開き特別の裁判官を命じて裁判を司らしむるを得ず(第六十四條 裁判は総て法律を以て定めたる裁判所に於て法律に遵い裁判官之を司どる可し特別の裁判所を開き特別の裁判官を命じて裁判を司らしむべからず)

第六十一條註解

そもそも人民の自由を保護するに最も必要なるは法の独立不羈これなり。法は國帝と國民と共に遵守すべきものにして立憲政体基礎はすなわち法にありて存するなり。それ法の独立不羈を要するは法の効力を全く他の政権と分離してこれと相関せしめざるにあるなり。もし然らずして権威勢力のために法を左右するが如きあらば國民の幸福得て保全すべからざるなり。故に法官は全く官民と分離して毫も他の政権と関せざる一地歩を占め、ただ法に遵い法を守り法と共に進退すべきのみ。西人曰く、法官は即ち法の一部分なり、故に法に離れて裁判に関するを得ずと。これ本文に法によりて定まれる法廷に於て法に遵って審判すべき旨を掲明する所以なり。即ち法の独立不羈を要するの主意に出でたるものにして、國民の自由を保護せんと欲せば宜しく此かくの如くならざるべからず。フランスに行わるる行政裁判の如き其の他國民の自由不完全なる國に於て特別裁判所を開て一種の勢威を法の上に加うるが如きは國民の自由の滅却するものと云うべし。故に本文に於て特に此の意を明にせり。


第六十二條 裁判官は総て皇帝之れを命ず過失あるにあらざれば終身其職務に任じ其俸給を供して之れを増減することなし(第六十五條 裁判官は凡て天皇の命ずる所にして過失あるにあらざれば終身其職に在て其俸給を受るを得べし)

第六十二條註解

この條は則法の不羈独立を保つに必要なるものなり。そもそも法官の地位固からずして、ややもすれば行政府の為に動かさるるが如きあらば、法官は其の法を司るにおいて多少の影響を受けざるを得ず。故に終身其の職に任じて他より動かすべからざるの性質を附し、その俸給もまた就職の後増減すること無く以て自ら動くの情を絶ち其れをして他を顧慮せしめず其の地位をして一定不動の者とするは此の制によるなり。


第六十三條 裁判所の訊問弁論及裁判宣告は総て公明にす可し否れば裁判の効なきものとす但其事件風俗を壊るが如きは此限にあらず(第六十六條 裁判所に於ての訊問弁論及裁判宣告は総て之を公行すべし否らざれば裁判の効無し但其事件風俗を壊るの恐れあるものに限り訊問及び弁論の傍聴を禁ずることを得べし)

第六十三條註解

裁判の事を公明にして毫も之れを隠秘せしめざるは、すなわち未だ法の独立を保つに必要なるものにして、併せて人権を保全するの効あるものなり。これ等は喋々説明せざるも世人の夙とに了知する所なるを信ず。


第六十四條 裁判は劾訴の法に由り刑事被告人をして弁護人を用うるを得せしむ可し。弁護人を許さざるものは裁判の効無きものとす(第六十七條 裁判は総て刑事被告人をして弁護人を用うることを得せしむべし弁護人を許さざるものは裁判の効無し)

第六十四條註解

この條については充分に説明するにあらずんば或いは読者の疑惑を来たさんことを恐るるが故に、余輩はまず劾訴の法は如何なる者なるかを弁明すべし。蓋し劾訴法は英語に「エキュゼトリアル」と云う。
米人李拔氏之を解釈せり。引いて以てその意義を明らかにすべし。李拔氏曰く、「裁判には公然劾訴法を用ゆるは法の独立を保つの要障なり。所謂劾訴とは尋常原告の訴によつて被告を判断するの謂にあらず。凡て刑事の裁判においても民事と均しく法廷は原被両造(原文ママ)の上に立ちてこれを裁判するを謂うなり。蓋し刑事においては政府これが原告となるが故にこの該訴法なるものは所謂究問法に反対するの名なり。究問法においては法官は自ら罪人を糾弾す。即ち法官は其の一身に原告と判事とを兼ね併せて罪人を保護するの職にあるが故に取りも直さず一身に三職を帯びるものなり。而してその三職に要する所の者皆相抵触す。これ性理上において為し能わざる所なり」云々と。
以上引用する所を以て該訴法の性質を知了せば又該訴法は裁判上に必要のものなるを知らん。即ち法官は政府と分離し人民と分離して独立不羈の地位を占めざるべからざる理由の存する所を知るに足るべし。また刑事被告人に弁護者を許すは該訴法を用ゆると共に民に冤抂無からしむるの便法と云わざるべからず。凡そ人罪犯ありと告訴せらるるも其の罪犯未だ分明ならざる間は之を認めて罪人となすべからず。即ち其の人に属するの権理を剥奪すべからず。宜しく充分に自ら弁明せしめざるべからず。これ弁護者を許すの必要なる所以なり。


第六十五條 軍律を犯す者は陸海軍裁判所に於て之を裁判す可し(此條説明を要せず)(第六十八條)

以上掲明せる所のものは裁判法に属する必要の條項にして、すでに現今の我國に於て司法部の慣行に属するものなり。或いは未だ行わざるものありといえども法の不羈法官の独立を要する大主意においては公論すでに茲に帰着して実際上その効を望するに至れり。立憲の制果して確定するに至らば此等の條項を実施する決して難きにあらざるべし。


第七章(第六章 民権)

第六十六條 日本國民は國安を妨害するにあらざれば各自所信の宗教を奉ずるを得。(第六十九條 日本國民は國安を妨害するに非ざれば各自所信の教法を奉するの自由を有す)

第六十七條 日本國民は法律に背くにあらざれば何れの國に転住するも妨げあることなし

第六十八條 日本國民は國安を妨害し若くは人を讒誣するにあらざれば自由に其の意見を演説し又は之を出版公布するの権を有す。(第七十條 前半同じ其意見を演説し及び出版公布するの自由を有す)

第六十九條 日本國民は兵器を携えず、國安を擾るの挙動あるにあらずんば、衆人相集会し又は結社同盟するの権を有す。(第七十一條 日本国民は兵器を携すして静穏に集会し又其の疾苦を政府に訴うるの権を有す)

第七十條 日本國民は其の利害疾苦を政府に歎訴するの権を有す。

第七十一條 日本國民の財産所有の権は何人たりとも之を侵すを得ず。但し公共の用に供する場合に於ては相当の償をなすべし(第七十二條 日本国民の財産所有の権は決して之を侵すを得ず。もし公共の用に供することあるも相当の償をなすべし)

第七十二條 日本國民は現行犯罪を除くの外法律に遵て裁判官の発したる告状を示すにあらざれば之を拘引し若しくは其の家屋に侵入し其の物件書類を捜索し又は之を携去すべからず。(第七十三條「令状」「持去る」の外同じ)

第七十三條 日本國民は拘引の後四十八時間を出ずして裁判官の訊問を受くべし。もし其の時間を経過し裁判官告状を発して拘留せしむるにあらざれば之を釈放すべし。(第七十四條「令状」の外同じ)

第七十四條 日本國民は罪犯未決中保証人を設け相当の保証金を出して保釈を受るを得可し。(第七十五條 前半同じ。但し被告人の遁逃もしくは罪証を隠滅するの恐あるものは此限りにあらず)

第七十五條 日本國民は拷問を用いて自ら其の罪を白状せしめらること無かる可し。(第七十六條)

第七十六條 日本國民は其の族籍爵位を別たず同一の法律に依て其の自由権理の保護を受く可し。(第七十七條)

第七十七條 既往に遡りて施行すべき法律は制定すべからず又法律に提示せざる罰を施し或は法律を枉ぐることある可(べか)らず。(第七十八條 既往に遡りて施行すべき法律は制定すべからず。但し制定の法律に依て罪の軽減もしくは消滅すべきものは其の法律に従うべし)


第八章 憲法改正〔第七章 憲法改正〕

第七十八條 此憲法は左院右院其議員総数三分の二以上の同意を以て之を改正し皇帝の上裁を仰ぐべし。但し皇権に関するの條は勅許を得たるの後に非ざれば改正の会議を開くを得ず。(第七十九條 「元老院」「国会院」「天皇」以外同じ)


以上掲記せる條項に就ては現に我政府これを実行するものあり或いは未だ実行せざるものあり又はこれを実行するの名ありて其の実を得ざるものなきにあらず。その他これが実行を希望して猶これを果さざるものあり又或いはこれを実行するも法典を以てこれを明示せざるものあり然り而して國民の思想言論は常に此等の条項に集まりすでにその利害損失を講究し尽せるものの如し今は唯其の実行を俟つに外ならざるなり。即ちこれを明文に掲げて日本國民挙げてこれを遵守すべきの憲法と為すを希図するに外ならざるなり。

私考憲法草案終

余輩此草案の終に及んで敢て一言を附せざるを得ず。余輩この稿を起してよりすでに旬有余日第十稿、即ちこの稿を以てこれを完結せり。およそ八章七十八條皇帝の特権を以て始め、國民の権利を以てこれを終れり。其の間固より鹵奔杜撰の弊なきを保せざるなり。然れども余輩の私見に出でたる此草案を以て完全なりと信ずるにあらず。唯大方に向て其の利害得失を討究するの考案となさんと欲するに過ぎざるなり。且つ此の草案の主意たる所謂述而不作の意に基きしものなり。決して奇想妙案を呈出して世を驚かすにあらざるなり。幸いに余輩が勿卒の考案なるを以てこれを舍てず考究の未だ至らず文章の未だ悉くさざる所あらば願くば読者の教を乞わん。又余輩意見と相反するの考案と呈出して余輩と相討究せんと欲するものあらば余輩はこれと共に相研磨するの煩を避けざるべし。

私考憲法草案附稿第一(明治十四年六月十八日社説)

天子九重の深宮にありて政事を親らせず其の臣属をして事に当たらしむるときは固より天子の尊を失うこと無かるべし。また天子聖明にして治國の術を誤らずんば、すなわち天子の尊を失うこと無かるべしといえども、天子深宮に在りて政治に関せざるは、君主國においては蓋し其の常を失えるものなり。而して天子聖明にして治國の術を誤らざるは千古不変の定理にあらざるなり。故に天子をして常に尊からしめ社会をして常に安全ならしめるの道は唯憲法を定むるにあるなり。

私考憲法草案附稿第二(明治十四年七月十六日社説)

一國の憲法は其の國の習慣風俗に基かざるべからず。法律は時として習慣を改良するの効ありといえども、法律を以て強いて世の慣例を変更せんと欲する時は却て社会の幸福を害するに止まる。蓋し成文の法典は概ね不文の慣例を明にするものなり。慣例はすなわち憲法の根基にして、憲法は慣例と全く乖離して其の用をなすものにあらざるなり。世の論者動もすれば新たに成文の法を設けて習慣風俗を一洗せんと欲す。思わざるの甚だしきにあらずや(中略)。

近時諸邦の政体を改革する者を見るに多くは立てて趣ち斃るるに至る。惟うに此意に通ぜずして漫に全般に改革を及ぼして慣例を一時に掃蕩するに由ると。これ実に千古の確言なり。憲法の作為に熱中するものは宜しく此に注意せざるべからず(下略)。
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まとめ【東京書籍のウソを暴く】

 東京書籍中学校教科書(平成9〜12年度版、採択率41.1%)に掲載されたコラム「新憲法の誕生」は次のよう
プロフィール

龍井榮侍

Author:龍井榮侍
 東亜連盟戦史研究所は、主として大東亜戦争に関する国民の戦史知識水準の向上を目指して開設されました。

 弊研究所が確信する「正統戦史研究」とは、信用の置ける第一次史料を集め、史料に事実を語らせ、独自の史観を構成することです。だが第一次史料とて作成者の欺瞞、錯誤を含んでいるかも知れず、たとえ紛れもない真実を示していても、所詮それは膨大な歴史的事実のごく一部にすぎません。

 歴史の真実の探求は極めて困難であり、戦史研究において最も留意すべき事項は、間違いが判明すれば直ちに訂正することであり、最も禁忌すべき事項は、「自説保全による自己保身」に走ることです。よって弊研究所は、読者の皆様の建設的な礼節ある御意見、御批判、御叱正を歓迎します。
 
 所長の本拠地は森羅万象の歴史家ブログです。

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